早川広中

早川 廣中

早川 廣中（はやかわ ひろなか、1935年（昭和10年）9月10日生）は、日本の元政治家。特に、福島県会津若松市の市長を務めたことで知られる。

生涯とキャリア

1935年（昭和10年）に生まれた早川廣中氏は、地元の名門である福島県立会津高等学校を卒業した後、東京の中央大学法学部へと進学し、法律学を修めた。大学での学びを終えた後、同氏は政界に足を踏み入れ、衆議院議員であった八田貞義氏の秘書として、国政の場で政治の実務に触れる貴重な経験を積んだ。国会議員の秘書としての活動は、立法過程や政策決定の現場を間近で見ることにより、その後の自身の政治家としてのキャリアに大きな影響を与えたと考えられている。

また、政治の分野と並行して、早川氏は学術の世界にも関わりを持った。中央大学経済学部において教授を務め、教育者としての側面も持ち合わせていた。経済学の専門知識は、その後の市政運営において、地域の経済活性化や財政運営を考える上で、重要な基礎となったであろう。このように、国政秘書としての経験と、大学教授としての学識という、異なる分野での経歴は、早川氏の視野を広げ、多角的な視点から物事を見る能力を培う助けとなったと推察される。

会津若松市長として

多様な経験を積んだ後、早川廣中氏は故郷である会津若松市の市政に直接関わることを決意し、1987年（昭和62年）に行われた会津若松市長選挙に立候補した。この選挙において、同氏は市民の支持を得て見事に当選を果たし、第何代かの会津若松市長として、その重責を担うこととなった。市長としての最初の任期では、長年の経験を通じて培った知識と手腕を発揮し、会津若松市の発展と市民生活の向上のために尽力した。具体的な政策内容については詳細な情報がないものの、地方都市が抱える様々な課題、例えば地域経済の振興、高齢化への対応、インフラ整備、教育・文化の振興などに対し、積極的に取り組んだものと考えられる。市長としての一期（通常4年間）を通じて、早川氏は会津若松市の未来を見据えた市政運営を行った。

しかし、1991年（平成3年）に迎えた次の市長選挙では、再選を目指して立候補したが、対立候補であった山内日出夫氏に惜敗し、一期限りで市長の座を退くこととなった。選挙結果は、常に有権者の厳しい評価を反映するものであり、早川氏にとって政治家としての大きな転換点となった。

公職退任後

会津若松市長を退任した後も、早川廣中氏は地域社会への貢献を続けた。特に、会津の歴史において重要な存在である白虎隊に関する顕彰活動に深く関わることとなる。現在は、財団法人白虎隊記念館の理事長を務めており、白虎隊の歴史や精神を次世代に語り継ぐための活動、記念館の運営、関連する調査研究の推進など、多岐にわたる役割を担っている。白虎隊記念館は、会津藩や戊辰戦争における白虎隊の悲劇的な歴史を伝える重要な施設であり、その理事長として、早川氏は会津の歴史文化遺産の保存・活用、そして観光振興にも大きく寄与している。これは、政治家としてのキャリアから一歩離れつつも、故郷への深い愛情と貢献への意欲を持ち続けていることの証である。

早川廣中氏の人生は、政治家、教育者、そして地域文化の継承者という多様な側面を持ち合わせている。衆議院議員秘書、大学教授、そして会津若松市長として公共のために尽力した経験は、現在の白虎隊記念館理事長としての活動にも活かされているであろう。会津の歴史と文化を愛し、その発展に貢献し続ける早川氏の活動は、地域住民にとって重要な意味を持っている。

外部リンク

* 白虎隊記念館公式サイト - ウェイバックマシン（2001年9月3日アーカイブ分）

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