山内日出夫

山内 日出夫（やまうち ひでお）は、1952年（昭和27年）1月1日にこの世に生を受け、2020年（令和2年）10月22日に68歳でその生涯を閉じた人物です。政治家として福島県会津若松市の発展に貢献し、晩年は教育者としても活動しました。その功績に対し、没後には従五位の位階が贈られ、旭日小綬章が追贈されています。

会津若松の地に生まれた山内氏は、地元の福島県立会津高等学校を経て、日本大学藝術学部で学びました。大学卒業後、政治の世界に足を踏み入れ、伊東正義衆議院議員の秘書を務めます。その後、内閣官房長官秘書（1979年11月9日から1980年7月17日まで）、そして外務大臣秘書（1980年7月17日から1981年5月18日まで）として、中央政界での経験を積みました。中央での職務を終えた後は故郷に戻り、会津若松市議会議員として2期務め、市政に深く関わることになります。

市議会議員としての活動を経て、1991年には会津若松市長に就任しました。市長として特に重要な功績の一つとして挙げられるのが、1993年の会津大学コンピュータ理工学部の設置です。会津地方に4年制大学を創設することは、長年地域の人々が抱いてきた切なる願いでした。山内氏はこの悲願の実現に向け、リーダーシップを発揮し、地域の将来を担う学術機関の礎を築きました。

会津若松市長を2期務めた山内氏でしたが、1999年に任期の途中でその職を辞します。その後、国政への挑戦を決意し、2000年の第42回、2003年の第43回の両衆議院議員総選挙において、福島県第4区から自由民主党の公認候補として立候補しました。しかし、いずれの選挙でも当選には至らず、この結果を受けて政治家としての活動に区切りをつけ、政界から身を引くこととなります。

政界引退後、山内氏は新たな道を歩み始めます。2005年には高崎経済大学に入学し、教員免許を取得しました。教育分野への関心を深めた後、2009年1月からは佼成学園女子中学校・高等学校の相談役を務め、同年4月には副校長に就任します。そして2010年4月には同校の校長に昇任し、学校運営のトップとして教育の現場に立ちました。校長在任中、文部科学省が推進する国際的に活躍できる人材育成プログラムであるスーパーグローバルハイスクール（SGH）の第一次指定（2014年度）を獲得するなど、同校の教育水準向上と国際化に貢献しました。2017年からは佼成学園教育顧問として引き続き学園に関与しました。また、この他にもニッポン文化学院の学院長も務めるなど、幅広い分野でその経験を活かしました。

2020年10月22日、山内日出夫氏は急性骨髄性白血病のため、群馬県前橋市内の病院で逝去されました。68歳でした。長年にわたり、政治家として地域振興に尽力し、また教育者として後進の育成や学校教育の発展に貢献したその生涯に、心からの敬意が払われました。

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