早川斉

早川斉（はやかわ ひとし）は、1930年に大阪で生まれ、日本のオーディオ業界に多大な影響を与えた人物です。彼は、国産オーディオの黎明期から、その音楽性と技術的な卓越性を追求し、高級オーディオブランドの先駆けであるラックス株式会社（現ラックスマン）を築き上げました。

1953年、関西学院大学商学部を卒業後、1954年に錦水電機工業株式会社（後のラックス株式会社）に入社しました。当初は事務部門に配属されましたが、オーディオへの情熱と経営手腕を発揮し、1957年には専務取締役、1968年には代表取締役社長に就任しました。

社長在任中は、音質の向上に徹底的にこだわり、回路設計から部品の選定まで、自ら陣頭指揮を執りました。特に、真空管アンプの音質に魅せられ、その開発に力を注ぎました。また、世界的なオーディオブランドとの技術提携も積極的に行い、ラックスの技術力を高めました。

早川斉の経営哲学は、「良い音を追求し、それをユーザーに届ける」というものでした。そのため、製品開発においては、徹底的に音質を追求し、妥協を許しませんでした。この姿勢が、ラックス製品の高い評価と信頼につながり、多くのオーディオファンを魅了しました。

1997年には取締役会長に就任し、1999年に引退するまで、ラックスの経営に携わりました。彼のリーダーシップの下、ラックスは日本を代表するオーディオブランドとしての地位を確立しました。彼が去った後も、ラックスの製品は、その高い品質と音質で多くのオーディオファンに愛され続けています。

2008年8月30日、早川斉は79歳でこの世を去りましたが、彼の残した功績は、日本のオーディオ業界に大きな足跡を残しました。

関連事項として、ラックスマンは、その製品の品質の高さと音質の良さで、国内外のオーディオファンから高い評価を受けている日本のオーディオブランドです。上原晋は、ラックスマンの技術者として、早川斉とともにラックスの製品開発に尽力しました。

以下に、関連資料のリンクを示します。

ラックスマン株式会社 (LUXMAN CORPORATION)
世界のオーディオ ラックス (1975年) (世界のオーディオ ハイ・ファイコンポーネントシリーズ〈1〉)
ラックスマンのすべて―オーディオスペシャリスト (別冊ステレオサウンド) 1997/11
ステレオの産業史｜ラックス
旧ラックストランス資料
錦水堂ラヂオブック

これらの資料から、早川斉の業績やラックスの歴史について、より深く理解することができるでしょう。

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