早河洋

早河洋: テレビ朝日の改革者

早河洋（はやかわひろし、1944年1月1日生まれ）は、日本のテレビディレクターであり、実業家として著名な人物です。現在、株式会社テレビ朝日ホールディングスの代表取締役会長を務めるほか、新聞と放送の連携を強化するため、一般社団法人日本民間放送連盟の副会長としても活動しています。さらに、東映株式会社や朝日放送株式会社の社外取締役を歴任し、テレビ業界全体での影響力も発揮しています。

初期のキャリアと報道活動

早河は山梨県笛吹市出身で、山梨県立日川高等学校を卒業後、中央大学法学部に進学しました。大学を卒業すると、彼はテレビ朝日の前身である株式会社日本教育テレビ（NETテレビ）に入社し、報道畑でキャリアをスタートさせました。1980年代には、『BIG NEWS SHOW いま世界は』のディレクターを務め、その後も筑紫哲也の『TVスクープ』などの人気番組を担当しました。

特に、1985年に始まった『ニュースステーション』は早河が初代プロデューサーを務め、大きな成功を収めました。この番組は、報道番組のスタンダードを確立し、視聴者に深い影響を与えました。早河はさらに、1970年代から1990年代にかけて、多くの著名な司会者を起用して放送質の向上に力を入れました。

テレビ朝日の改革と社長就任

2009年にはテレビ朝日の第13代社長に就任し、歴代社長の中で初めてテレビ朝日からの生え抜きの業務経験者として社長に選ばれました。テレビ朝日はこの頃、経営不振に悩まされており、早河は「テレビマンの誇り」を掲げて改革を進めました。彼は視聴率向上のため、ゴールデンタイムの特番放送時間を2時間から3時間に延長し、人気番組『相棒』を夕方に再放送するなどの対策を講じました。

このような手法が功を奏し、早河の就任から数年後の2013年には、テレビ朝日が19時から23時のプライムタイムでの平均視聴率1位を獲得しました。彼の改革は、テレビ朝日を視聴率のトップに押し上げ、同局の再生の礎になりました。

創造力と新たな挑戦

さらに、早河は様々なメディアへの進出を行い、2016年にはAbemaTVを立ち上げるなど、若い世代をターゲットにした新しいメディア戦略も推進しました。彼はテレビの枠を超え、多様なコンテンツを提供することで、視聴者の幅広いニーズに応えています。

2022年には、亀山慶二社長の不祥事を受けて再び社長に返り咲き、緊急体制での運営を行いました。彼の経験と実績は、テレビ朝日の安定した運営と発展に欠かせない要素であり続けています。

エピソードと影響

早河は、彼が関与した『ミュージックステーション』という番組が現在も続いている唯一の番組であり、これも彼の功績の一端を示しています。また、『ニュースステーション』のプロデューサー時代には、フィリピン政変を特集し、当時の重大ニュースを視聴者に届けるために放送時間を延長する決断をしました。このように、早河は常に時代の変化に応じた柔軟な対応力を持っています。

彼のリーダーシップは、テレビだけでなく、放送業界全体に影響を及ぼし、今後もその活躍が期待される存在です。

もう一度検索