早波 (駆逐艦)

駆逐艦早波（はやなみ）の歴史

駆逐艦早波は、大日本帝国海軍の一等駆逐艦であり、夕雲型の12番艦として1943年に竣工しました。舞鶴海軍工廠で建造された本艦は、最初に第十一水雷戦隊での訓練を経て、8月20日に新設された第32駆逐隊に配属されました。この艦は、戦局の激化する中で多くの重要な任務を遂行し、最終的には命を落とすこととなります。

建造の経緯

早波は1942年度の艦艇建造計画に基づき、舞鶴海軍工廠で起工されました。1943年7月31日に竣工した際は、艤装員長だった清水逸郎中佐が艦長に就任しました。当初は第十一水雷戦隊に編入された後、訓練を重ね、戦闘に備えた艦艇としての運用が開始されました。

戦歴

1943年の夏以降、早波は様々な戦闘任務に投入されました。10月中旬には丁三号輸送部隊としてトラック泊地へ進出し、11月には重巡洋艦部隊とともにラバウルへの進出を果たしました。しかし、この行動中には米軍の空襲により32駆逐隊の一艦、涼波を失うなどの辛酸を舐めます。

続く1944年1月には、軽巡能代とともに空母瑞鳳、雲鷹の護衛を行い、横須賀海軍工廠での修理後も訓練や護衛任務に従事しました。特に6月には、タウイタウイで米潜水艦ハーダーによって撃沈されるまで、様々な艦艇と共に戦闘を続けました。

沈没の経緯

1944年6月7日、すでに戦線は厳しい状況でした。早波は米潜水艦の捜索任務中にハーダーに遭遇し、魚雷を受けて沈没してしまいました。その際、253名の乗組員が戦死し、わずか45名が救助されるという悲劇的な結果となりました。指揮官だった折田常雄大佐、艦長の清水逸郎中佐もこの沈没により命を落としました。

総まとめ

駆逐艦早波は、戦局の厳しさと共に多大な役割を果たした艦でした。多くの艦とともに艦隊の要としての任務を遂行し、最後まで戦意を持って戦った姿勢は、今も艦隊の歴史に名を刻んでいます。彼の行動は、日本海軍の駆逐艦史において忘れられないものとなるでしょう。戦争の悲劇を伝える存在として、早波の存在を記憶に留める必要があります。

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