早田宮

早田宮（はやたのみや）について

早田宮は、鎌倉時代から南北朝時代にかけて存在していた日本の皇室の宮家の一つで、円満院門跡の門主としても著名です。特に「円満院宮」とも呼ばれ、この名称はその歴史的背景に深い関わりを持っています。

主な人物とその業績

円助法親王

この宮家の初見は、嘉禎2年（1236年）10月に誕生した後嵯峨天皇の第七皇子、円助法親王にまで遡ります。彼は後に「早田宮」または「金龍寺宮」の名前で知られるようになりました。円助法親王は1249年に円満院で出家し、1250年には法親王に任命され、円満院の門跡としての役割を担いました。

彼は数回にわたって重要な役職に任命され、特に1257年には園城寺の長吏として活動するなど、高い地位を築きました。また、彼は後嵯峨法皇の崩御時に遺言書を開くことに立会い、亀山天皇を治天の君に決定する重要な役割を果たしました。

真覚

円助法親王の弟である真覚権僧正も「早田宮」と名乗り、円満院の門跡となりました。彼は1270年に宗尊親王の次男として誕生し、文永7年（1270年）の時期に生まれたとされています。真覚は元応元年（1319年）以降に還俗し、その後「早田中務卿」と称されたとされています。

宗治王

真覚の子には早田宮宗治王がいて、彼は後醍醐天皇の猶子となりました。宗治王は源姓を賜り、臣籍降下した後も優れた地位にありましたが、やがて南朝の征西将軍宮として九州に赴任し、最終的には1345年に鎮西で亡くなりました。

宮号の由来

早田宮の名称は、文永9年（1272年）の『後嵯峨上皇処分状案』に記載されている「豊後稙田庄」との関連があると考えられています。特に『西源院本太平記』では、「早田宮」という語が「はやたのみや」と読まれています。

文学における早田宮

『太平記』には「早田宮ノ御女」が登場し、その名は「弘徽殿ノ西ノ台」として描かれています。彼女は塩冶判官高貞の妻であり、後に彼女を巡る恋物語が展開されます。特に、足利尊氏の執事・高師直が彼女に恋心を抱き、そしてその結果が悲劇的な結末を迎える様子が記されています。

この物語は後に浄瑠璃や歌舞伎の演目である『仮名手本忠臣蔵』の根底として利用され、その際は登場人物の名前が変更され、当時の歴史的事件を反映した形で表現されています。

結論

早田宮は、日本の歴史の中で重要な役割を果たした宮家であり、その中心人物たちの業績や逸話は多くの文献に記録されています。彼らの活動を通じて、早田宮は日本の皇室の歴史の一部として大変興味深い存在です。

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