早野凡平

早野凡平: 日本の大道芸人

概要

早野凡平（はやの ぼんぺい、1940年2月21日 - 1990年5月3日）は、日本の大道芸人、タレントとして広く知られています。本名は松本光弘。日本大学芸術学部の演劇科に在籍していましたが、中退して大道芸の世界に足を踏み入れました。

デビューとキャリア

早野は、名人と称される大道芸人パン猪狩の弟子として修行を積み、新宿松竹文化演芸場に出入りする中で自身の職業を確立しました。その後、キャバレーでの経験を経て、主にテレビの演芸番組や舞台で活動を始めます。彼のユニークなスタイルは、さまざまなキャラクターを模した帽子を用いた芸です。特に有名なのが「ホンジャマーの帽子」と称されるもので、ヨーロッパに起源を持つ古典的な帽子芸、Chapeaugraphyを駆使しました。

帽子芸

この帽子は特に特殊で、帽体とつばの部分が分離した設計になっています。早野は熟練した手つきで黒の帽子を様々な形に変形させ、海賊やスチュワーデス、ナポレオン、ローマ法王など多様なキャラクターを模倣し、観客を楽しませました。また、「ホンジャマー、ホンジャマカ…」という特徴的な歌を歌いながらパフォーマンスを行い、独特の雰囲気を醸し出していました。

帽子芸により早野は人気を博し、多くのテレビ番組に出演しました。彼は「この帽子のおかげで練馬に家を建てることができました」と舞台で話し、帽子がもたらした成功をユーモラスに語りました。

影響と後継者

とんねるずの石橋貴明が早野の帽子芸を模倣していたエピソードもあり、さらにお笑いコンビ「ホンジャマカ」の名前の由来ともなっています。また、早野の一番弟子であるはやのみこみも活躍しており、彼もまた、独自のスタイルで風呂敷を使った漫談を得意としています。

音楽と他のパフォーマンス

帽子以外にも、早野は「パイプオルガン」と呼ばれる芸も披露していました。この演目では、4本の蛇腹状のホースを振り回し、音を楽しむというもので、観衆の関心を惹きつけました。音色を変えるためにホースの振り方を工夫し、「黒田節」や「船頭小唄」など、日本の伝統音楽を取り入れていました。

受賞歴

早野は1980年に文化庁芸術祭の優秀賞を受賞し、その才能が評価されました。彼の芸風は、今なお日本の伝統的な芸能に大きな影響を与えています。

最期の時

1990年5月3日、早野は転移性肺がんにより50歳で亡くなりました。死後の香典返しには、自らの帽子芸にちなんだ説明書きと共に、帽子の形状を模したレプリカが贈られたという逸話があります。

家族と子供

早野の妻は舞踊家の印南明美であり、2男1女を儲けました。長男はタップダンサーとして活躍しています。そして、お笑いコンビ「しらすのこうげき!」のメンバーであるひよりは、早野の孫にあたります。彼の芸風や影響は、今もなお多くの子孫たちに受け継がれています。

早野凡平は、彼の独特な芸風とパフォーマンスを通じて、多くの人々に愛され続けています。

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