早雲の里荏原駅

早雲の里荏原駅

井原鉄道が運行する井原線に位置する駅で、岡山県井原市東江原町に所在しています。「早雲の里荏原駅」という駅名は、戦国時代の武将として知られる伊勢宗瑞、後の北条早雲の出自が、近年の中世史学の進展によって、この駅周辺にあたる備中国後月郡荏原庄であるとの学説が確定したことを記念して命名されました。駅名標には宗瑞をイメージしたイラストが描かれ、地域の歴史にちなんだ特色を持っています。

歴史

この駅は、井原線が開業した1999年（平成11年）1月11日に設置されました。

駅構造

早雲の里荏原駅は地上駅であり、複数のホームと線路を備え、列車の行き違いや追い越しが可能な構造となっています。具体的には、単式のホームが1面と島式のホームが1面配置されており、合計で2面3線の線路を有しています。このうち、1番のりばと2番のりばが島式ホーム、3番のりばが単式ホームに対応しています。

当駅は無人駅として運営されており、駅舎はありません。利用者は跨線橋を利用して各ホームへ直接アクセスする形式です。駅構内には、井原鉄道の本社および車両基地が併設されており、このため当駅は井原鉄道において唯一、列車の夜間滞泊が設定されている駅となっています。また、駅の北側には駅前ロータリーがあり、「早雲の里交流センター」が設置されています。この施設は待合所としての機能も兼ね備え、地域住民や利用者の利便性を高めています。

のりば・運用

ホームと線路配置は、理論上一線スルー構造となっており、上下本線が2番線、上下副本線が1番線と3番線に割り当てられています。しかし、実際の列車運行においては、井原線内を走行する列車はすべて各駅停車であるため、この構造は限定的な使われ方をしています。通常時の運用としては、下り列車は1番のりば、上り列車は2番のりばを使用するのが基本です。ただし、朝の時間帯には上下双方向の列車が2番のりばを使用するケースも見られます。

3番のりばは、主に当駅で終着となる列車の降車ホームとして利用されています。加えて、線路の保守作業などの都合により、清音方面へ向かう上り列車が少数ながらこの3番のりばを使用することもあります。例えば、2018年12月時点では、朝8時54分発の清音行きの列車が3番のりばから出発していました。一方、当駅を始発とする下り列車は、車両基地から出庫後、直接1番のりばに入線して運用に就きます。

駅周辺

駅周辺には、歴史や文化に関連するいくつかの施設や名所が点在しています。

早雲の像：司馬遼太郎の小説で描かれた印象に基づく銅像です。
浪形岩
馬越恭平生家跡
井原鉄道本社：駅構内に位置します。
高越城址：車で約15分の場所にあります。
法泉寺

その他、駅名の由来となった伊勢宗瑞に関する歴史的な背景は、近年の日本中世史学の研究成果によって学術的に確認されています。また、パークアンドライドを目的とした駐車場が駅前に整備されており、84台分の駐車スペースが設けられています。

隣の駅

井原鉄道 井原線
小田駅 - 早雲の里荏原駅 - 井原駅

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