旭町 (愛知県東加茂郡)

旭町（あさひちょう）について

旭町は、かつて愛知県の東加茂郡に属していた町です。2005年4月1日、藤岡町、小原村、足助町、下山村、稲武町と共に豊田市へ編入合併され、その歴史を終えました。しかし、その豊かな自然と歴史は、今もなお多くの人々の記憶に残っています。

地理

旭町は、愛知県の北東部に位置し、岐阜県との県境に接していました。美濃三河高原の北西端に位置し、その面積の大部分は山林原野が占めていました。矢作川の上流部に位置し、岐阜県境には矢作ダムと奥矢作湖が広がっていました。町の最高標高地点は駒山（867m）であり、次いで日下部城址（739m）、旭高原（668m）が続きます。集落は標高120mから400mの間に点在し、矢作川やその支流沿いに多く見られました。

主な河川としては、矢作川本流のほか、段戸川、明智川、阿妻川、介木川、大坪川、阿摺川などが挙げられます。また、奥矢作湖は、ダム建設によって生まれた人造湖です。

歴史

旭町の歴史は、1906年（明治39年）に野見村、生駒村、介木村、築羽村が合併し、旭村として発足したことに始まります。その後、役場は地理的中心である太田、次いで交通や商業の中心である小渡へと移転しました。1955年（昭和30年）には、岐阜県恵那郡三濃村の一部を編入するという、全国初の越県編入合併を経験しました。1967年（昭和42年）には町制を施行し、旭町が誕生しました。

しかし、1970年（昭和45年）には過疎地域に指定され、過疎対策特別措置法の適用を受けることになりました。同年には役場を現在地に移転、庁舎を新築しています。1971年（昭和46年）には矢作ダムが完成し、町内の108戸が奥矢作湖に沈むという出来事もありました。その後も、コミュニティセンターや体育館などの公共施設が整備されましたが、2005年（平成17年）には豊田市への編入合併により、旭町としての歴史を終えることとなりました。

行政

旭町の歴代町村長は以下の通りです。

鈴木林平（1948年10月19日 - 1956年10月17日）
糟谷直吉（1956年10月18日 - 1976年10月17日）
林康隆（1976年10月18日 - 1984年10月17日）
山田巖（1984年10月18日 - ?）

教育

旭町には、かつて愛知県立足助高等学校旭分校がありましたが、1973年に廃校となりました。中学校は、旭町立旭中学校、旭町立旭中学校生駒分校、旭町立浅野中学校が存在しましたが、旭中学校は浅野中学校を統合し、生駒分校と浅野中学校は廃校となりました。

小学校は、旭町立小渡小学校、旭町立築羽小学校、旭町立敷島小学校が存在しましたが、その他に、旭町立大坪小学校、旭町立浅野小学校、旭町立浅野小学校上切分校、旭町立笹戸小学校、旭町立生駒小学校は廃校となりました。現在、小学校は豊田市立の小学校が引き継いでいます。

交通

旭町内には鉄道は通っていませんでしたが、かつては東鉄バスが明智鉄道明智駅より町内の小渡まで乗り入れていました。現在、豊田市合併後は、とよたおいでんバスや旭地域バス「こっきーバス」が運行されています。

道路に関しては、町内に高速道路や一般国道はありません。主要地方道としては、愛知県道11号豊田明智線、愛知県道19号土岐足助線、愛知県道20号瑞浪大野瀬線などが挙げられます。

名所・旧跡・観光スポット

旭町は、「水の郷百選」に選定されており、豊かな自然に恵まれていました。

主な観光スポットとしては、

旭高原元気村
杉本の貞観スギ（国の天然記念物）
小渡劇場（かつての映画館）
奥矢作温泉郷（小渡温泉、榊野温泉、笹戸温泉）

などがあります。

姉妹都市

旭町は、以下の市町と姉妹都市提携を結んでいました。

新川町（愛知県西春日井郡）：1996年 姉妹町提携
南知多町（愛知県知多郡）：1973年 姉妹提携
* 美浜町（愛知県知多郡）：1973年 姉妹提携

まとめ

旭町は、その歴史と豊かな自然が魅力的な町でしたが、2005年に豊田市へ編入合併し、その名前は消滅しました。しかし、奥矢作湖をはじめとする自然や、数々の温泉地、天然記念物の杉など、その遺産は今もなお地域の人々に愛され続けています。

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