旭町 (浜松市)

旭町（あさひちょう）

概要

浜松市中央区に属する町名で、JR浜松駅のすぐ北側に位置する。丁番を持たず、単独町名として扱われているが、住居表示は現時点では実施されていない。浜松市の中心部、商業・業務地区の一角を占める重要なエリアである。

地理

市域の中核をなす浜松市中央区の中心部に広がる。町域の東側は板屋町に、西側は鍛冶町に接する。また、南部は砂山町と隣り合い、北側は田町に至る。JR浜松駅に近接しており、交通の要衝として知られる。

歴史と地名の由来

旭町となる以前、明治時代頃にはこの一帯は通称で「八幡地（はちまんじ）」と呼ばれていた。ただし、これは現在の砂山町周辺や寺島町・北寺島町周辺の同名の地区とは異なる場所を指している。大正時代に入り、1926年（大正15年）に実施された地籍整理を機に、大字伝馬および大字鍛冶のそれぞれ一部区域を再編成して、新たに旭町が誕生した。この町名は、当時この地に暮らしていた人々が、日の出を連想させる縁起の良い言葉として「朝日町（あさひまち）」と呼んでいた慣習を受け継いだものであるとされる。

沿革

旭町の歴史は、1925年（大正14年）5月1日に大字伝馬と大字鍛冶の一部を統合する地籍整理によって新たな町として成立したことに始まる。その後、街の発展とともに様々な変化を遂げてきた。2002年（平成14年）4月2日には、市民の利便性を高めるため、浜松市立中央図書館の駅前分室が商業施設フォルテの4階に開設された。2007年（平成19年）4月1日には、浜松市が政令指定都市へ移行したことに伴い、旭町は行政区の一つである中区の一部となった。図書館駅前分室はその後移転を重ね、2008年（平成20年）10月1日には浜松駅前ビルヂングの7階へ、さらに2011年（平成23年）11月9日には遠鉄百貨店新館の9階へと場所を移している。近年の大きな動きとしては、2024年（令和6年）1月1日に浜松市で実施された行政区の再編により、旭町は新たな区割りとなった中央区の一部となったことが挙げられる。

主な施設

旭町は浜松の中心商業・業務地区として、多くの重要な施設が集積している。

• - 浜松駅バスターミナル：市内の主要交通拠点の一つとして機能し、多くの路線バスや高速バス、空港アクセスバスが発着する。
• - 遠鉄百貨店 新館：地域の商業を牽引する大型百貨店の新館。
• - 静岡県警察浜松中央警察署浜松駅前交番：駅利用者や周辺住民の安全を守る。
• - 浜松市駅前市民サービスセンター：市民向けの行政サービスを提供する窓口。
• - 浜松市立中央図書館 駅前分室：駅利用客や周辺住民が気軽に利用できる図書館機能。
• - 薬 マツモトキヨシ 浜松駅前店：生活必需品や医薬品を提供するドラッグストア。
• - 浜松郵便局、ゆうちょ銀行 浜松店：郵便や金融サービスを提供する主要拠点。
• - プレスタワー：オフィスや商業施設が入居する複合ビル。静岡新聞社や静岡放送の浜松総局も入居している。
• - 一条タワー：他の商業・業務ビル。

これらの施設は、旭町が単なる居住区ではなく、浜松市の経済・文化活動の中心地の一つであることを示している。

交通

町域内には、浜松市道曳馬中田島線、通称「広小路通り」が東西に走っており、交通の大動脈となっている。また、前述の浜松駅バスターミナルが所在することから、公共交通機関、特にバス網の利便性が非常に高い。市内各地へ向かう路線バスだけでなく、県内外を結ぶ高速バスや、富士山静岡空港へのアクセスバスも利用できる。

学区

旭町に居住する子どもたちは、小中学校一貫教育を実施している浜松市立中部小学校および浜松市立中部中学校の学区に属している。これらの学校は、浜松中部学園として連携した教育を行っている。

まとめ

旭町は、JR浜松駅のすぐ北側に位置する浜松市中央区の核となる町である。明治期からの歴史を経て、大正期の地籍整理により現在の町域が確定し、かつてこの地に暮らした人々の願いを込めた「朝日町」という呼び名に由来して名づけられた。現在では、浜松駅バスターミナルや遠鉄百貨店、市のサービスセンターなど、多くの重要な公共・商業施設が集積しており、交通の要衝として、また商業・業務の中心地として、浜松市の活力を支える一角を担っている。住居表示は未実施ながら、歴史と現代都市機能が融合したこの町は、市の発展において重要な役割を果たし続けている。

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