浜松駅バスターミナル

浜松駅バスターミナル：円形ターミナルが織りなす浜松の交通結節点

浜松駅バスターミナルは、静岡県浜松市中央区に位置する、路線バスのターミナルです。浜松駅北側、新浜松駅東側にあり、その特徴的な正円形構造と、バスの方角に合わせた乗り場配置が印象的です。地元では単に「バスターミナル」と呼ばれるほど、市民生活に深く根付いています。

多様な路線バスの発着拠点

主に遠州鉄道バスが乗り入れていますが、京王バス東、ジェイアール東海バス、西日本ジェイアールバス、名鉄バス、宮城交通など、県内外を結ぶ様々なバス事業者が利用しています。かつては浜松市営バス（現：廃止）、大井川鉄道バス、静岡鉄道バス、ジェイアールバス関東なども発着していました。

ターミナルには、最大20台のバスが乗降可能な16の乗り場があります。さらに、2つの島状の乗り場があり、イベント時や乗務員の休憩などに活用されています。降車場はなく、空いている乗り場で随時降車扱いを行うシステムです。バス接近の情報システムが作動したら、降車扱いを中断し、別の乗り場へ移動する運用となっています。

1984年3月31日までは、浜松駅南口にも17～19番乗り場があり、駅南方面に向かう路線が発着していましたが、駅前駐車場の整備に伴い廃止されました。現在、駅南方面路線の上りバスは、バスターミナル東側の新幹線高架下にある「浜松駅南口」という降車専用のバス停に停車します。このバス停は、駅や市街地へのアクセスが容易な設計となっています。2012年3月のダイヤ改正以降、11番乗り場は空港直行バス「e-wing」と都市間高速バス専用乗り場となっています。

浜松駅前交通網の変遷とターミナルの役割

浜松駅バスターミナルは、連続立体交差化された浜松駅の旧地平部分を活用して建設されました。隣接地にはアクトシティ浜松も建設されています。

以前は、浜松駅周辺のバス乗り場は、浜松駅北口、浜松駅南口、遠鉄浜松駅（現：遠州病院駅）の3箇所に分散していました。そのため、乗り換えには徒歩での移動が必要となることもありました。また、利用客の少ない路線は、田町中央通りや街中のかじ町などから発着していました。

バスターミナルの完成により、浜松駅前のバス乗り場は一箇所に集約され、乗り換えの利便性が大幅に向上しました。完成当初は、バスターミナルから直接駅南方面へは右折できなかったため、駅南方面へ向かう路線はアクトシティ周辺を迂回していましたが、後に右折できるよう整備され、大幅な時間短縮が実現しました。

バスターミナルの施設と歴史

1982年11月1日に現在のバスターミナルが完成しました。その後も、待合室の増設や乗車券センターの移転、浜松市駅前市民サービスセンターや浜松駅前交番の移転など、利用者の利便性向上のための整備が続けられてきました。1984年にはモニュメント「伸びゆく浜松」が設置され、2004年と2005年には待合室がそれぞれ完成しました。2007年には乗車券センターが地階から第1待合室に移転し、2011年には浜松駅前交番と駅前市民サービスセンターが遠鉄百貨店新館に移転しています。

ターミナルの構造と設備

全国的にも珍しい円形バース構造は、バスの乗り換えをスムーズに行えるよう設計されています。船橋駅北口にも同様のターミナルがあります。バスの待機場所も周辺に14台分確保され、効率的な配車体制が整えられています。

地上階には待合室、バス案内所、乗車券センター、忘れ物取扱い所などがあり、地下階にはかつて浜松市役所駅前市民サービスセンターと浜松中央警察署浜松駅前交番がありました(現在は遠鉄百貨店新館に移転)。各乗り場には時刻表、バスロケーションシステム、運賃案内板、ベンチなどが設置され、ナイスパスの残額確認機も設置されています。11番乗り場には空港直行バス「e-wing」の券売機があります。

周辺環境

バスターミナル周辺には、JR浜松駅、新浜松駅、遠鉄百貨店、メイワン、エキマチなどの駅ビル、ビックカメラ、ホテル、商業施設などが集積しており、利便性の高い環境となっています。アクトシティ浜松や浜松市楽器博物館なども徒歩圏内にあります。

浜松駅バスターミナルは、浜松市の交通の要として、そして、地域のランドマークとして、これからも多くの人の利用に貢献していくでしょう。

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