旭町駅 (北海道)

旭町駅

旭町駅は、かつて北海道白糠郡（現在の釧路市音別町字尺別）に位置していた、雄別炭礦尺別鉄道線の駅でした。同線の廃止に伴い、駅も廃止されました。

概要

尺別炭礦の開坑当初から、この地域には飯場が立ち並んでいましたが、軽便運炭軌道時代には駅は存在しませんでした。専用鉄道となり、旭町駅が設けられましたが、駅前後は25パーミルの勾配に挟まれた16パーミルの勾配上に位置していました。駅からは尺別川上流を左右に蛇行しながら、多くの橋梁を渡って炭山へと向かうルートが設けられていました。

この急勾配区間が災いし、厳冬期には尺別炭山へ向かう機関車が、駅を出発後に蒸気圧が上がらずに途中で停止してしまうことがありました。そのような場合、機関車は駅まで引き返し、蒸気を上げ直す必要がありました。急ぐ人々は駅で降りて、炭山まで歩いて向かうこともあったようです。

1964年（昭和39年）に地方鉄道へ移行してからは、新尺別 - 尺別炭山間の通勤列車がバス4台による代行輸送に置き換えられ、日中の旅客列車の運行はなくなりました。そのため、以降は朝の1便のみが駅に停車するのみとなりました。

歴史

1942年（昭和17年）11月3日：尺別専用鉄道の駅として旭町停留所が開業（無人駅）。
1962年（昭和37年）1月1日：地方鉄道の尺別鉄道の駅となる。
1970年（昭和45年）4月16日：鉄道廃止により廃駅。

駅構造

東側（尺別炭山に向かって右側）に板張りの単式ホーム1面1線を有していました。

隣の駅

雄別炭礦

尺別鉄道線

新尺別 - 旭町駅 - 尺別炭山

脚注

参考文献

尺別鉄道 50年の軌跡 大谷正春著
寺田裕一 「消えた轍 ローカル私鉄廃線跡探訪 第5回 雄別鉄道・雄別炭礦鉄道尺別鉄道」『Rail Magazine』2002年2月号（No.221）pp.83-96

関連項目

日本の鉄道駅一覧
廃駅

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