明ル坂

明ル坂（あかるかさか）

明ル坂は、福島県会津若松市河東町八田付近に位置する坂です。その歴史は江戸時代に遡り、陸奥国会津若松と二本松を結ぶ二本松街道のうち、下街道（本道）がこの坂を経由していました。会津若松と大寺宿（現在の磐梯町付近）の間に位置し、街道が会津盆地の東側から山地へと入っていく地点に存在します。

地理的特徴

明ル坂の周辺には、七曲山などの山々が連なっています。また、明ル坂の北側、大寺宿方面へ向かうと、南側に上る坂があり、会津若松市河東町生井集落の北側付近をピークとする峠のような地形になっています。この地形が、往時の旅人にとって一つの難所であったことが想像できます。

現在の明ル坂周辺

現在、明ル坂の付近は福島県道64号会津若松裏磐梯線が経由しています。この県道は、過去に改修が行われたため旧道が残っており、現在の道は数回の大きなヘアピンカーブを描きながら通過します。これは、道路の近代化が進むにつれて、より効率的なルートが求められた結果と言えるでしょう。

また、磐越自動車道も会津若松インターチェンジと磐梯河東インターチェンジの間で明ル坂の付近を通過しています。高速道路の開通により、会津地方へのアクセスは格段に向上しました。一方で、かつての街道の面影は薄れつつあります。

国道49号は、滝沢バイパスとして明ル坂の東西を北側に大きく迂回するように結んでいます。これにより、主要な交通の流れはバイパスへと移行し、明ル坂周辺の交通量は減少しました。しかし、バイパスからは見えない、歴史的な風景が今もそこに残されています。

明ル坂の南側には、松長団地が位置しています。これは、地域の宅地開発が進んだことを示しており、人々の生活の場としての役割も担っています。

まとめ

明ル坂は、かつて会津と二本松を結ぶ重要な街道の一部であり、人々の往来を支えていました。現在では、道路の改修や高速道路の開通により、その役割は変化しましたが、歴史的な場所としての価値は失われていません。周辺の自然や集落とともに、明ル坂は会津の歴史を今に伝える貴重な存在と言えるでしょう。

関連項目

* 日本の峠一覧

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