明光商会

株式会社明光商会

株式会社明光商会は、1956年に設立された日本の事務機器メーカーです。東京都中央区八丁堀に本社を構え、「国家機密から心の秘密まで」をコーポレートメッセージとして掲げ、情報管理やオフィス業務の効率化を支える製品を提供しています。

創業と日本初のシュレッダー

創業者の高木禮二氏によって1956年（昭和31年）に東京で創業されました。明光商会の歴史を語る上で特筆すべきは、1960年（昭和35年）に日本で初めてシュレッダーを開発したことです。この製品は、海外で販売されていた機器に着想を得て生まれました。開発時に創業者が「製麺機のようだ」と口にしたことから、うどんの製麺機にヒントを得て作られたという逸話が伝えられています。

市場への浸透と主要製品

シュレッダーの発売当初は、情報保護の重要性があまり認識されていなかったため、販売は思うように進みませんでした。しかし、1962年（昭和37年）に公開された、産業スパイをテーマにした映画「黒の試走車（テストカー）」が情報漏洩への関心を高めるきっかけとなり、シュレッダーの売り上げが徐々に増加していきました。

1980年代後半には、ラミネーター「パウチッ子」のテレビコマーシャルが広く認知され、製品名がラミネーターやラミネート加工そのものを指すほど有名になりました。

現在、明光商会は特にシュレッダー分野において国内で圧倒的なトップシェアを誇っています。機密文書などを安全かつ自動的に処理する「MSシュレッダー」は、情報管理ソリューションを提供する企業としての同社の地位を確立しています。

多様な製品と環境対応

明光商会はシュレッダー以外にも、様々なオフィス機器を製造・販売しています。社員証などに利用される「MSパウチ」や、封筒を自動で開封する「MSレタペット」、金融機関や病院向けの受付自動案内システム「MSボイスコール」などを提供しています。

シュレッダー最大手として、環境問題への貢献にも力を入れています。「MSリサイクルシステム」や「MSリサイクルシュレッダー」などを通じて、リサイクルの推進に取り組んでおり、これらの活動は過去に数々の賞を受賞しています。また、2003年には環境マネジメントシステムの国際規格であるISO 14001認証を取得しています。

1990年代には、情報漏洩防止への社会的な関心の高まりを受け、個人や家庭向けの小型シュレッダー市場へも参入しました。

経営体制の変遷とグループ連携

明光商会は1989年（平成元年）に株式を公開しましたが、2007年（平成19年）にジャフコの子会社である株式会社MSJホールディングスによる株式公開買付け（TOB）を経て、完全子会社となり上場廃止となりました。その後、2008年（平成20年）にMSJホールディングスが明光商会を吸収合併し、MSJが株式会社明光商会に商号を変更するという形で、実質的な事業継承が行われました。

さらに、2019年（平成31年）4月には三井松島ホールディングスの連結子会社となりました。現在は、グループ内の住宅関連部材メーカーであるシステックキョーワと連携を深めており、人材交流やタイ拠点の共同活用、部材供給などを通じたシナジーを追求しています。

その他の活動

明光商会は、事業活動に加えて、在京キー局を中心に民放各局で放送される連続ドラマや映画へ「MSシュレッダー」をはじめとする自社製品を提供し、美術協力を行うといった活動も行っています。これは、製品の認知度向上だけでなく、情報管理や事務機器が日常生活やビジネスシーンに不可欠であることを示す一助となっています。

情報管理のパイオニアとして、明光商会は創業以来、時代のニーズに応じた製品開発と社会貢献に取り組んでおり、今後もオフィスの効率化と情報セキュリティの分野で重要な役割を担っていくと考えられます。

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