明友会事件

明友会事件の概要

明友会事件（めいゆうかいじけん）は、1960年8月9日から8月23日まで続いた三代目山口組と明友会との間の暴力団抗争であり、山口組の大阪進出を促進する契機となりました。

抗争の発端

この抗争の根源は、1960年7月に大阪ミナミで発生した組員同士のトラブルに遡ります。双方の暴力団員が喧嘩を始め、その後明友会側が猟銃を持って神戸市の山口組事務所前に出向くという挑発行動に発展しました。8月5日、山口組富士会の田中禄春会長が新たに開店したマンモスキャバレー「キング」の開店祝いにおいて、三代目山口組の田岡一雄組長が訪問し、著名な歌手と共に祝いました。

一方、「キング」の隣にあたるサパークラブ「青い城」では明友会の幹部による保釈祝いが行われており、田岡の来店から緊張が高まりました。明友会の幹部は歌を依頼しましたが、田岡の同道者であった中川がその要請を拒否。それがきっかけとなり、双方の間で激しい衝突が始まります。

抗争の直後、田岡は明友会との全面戦争を決意し、若頭の地道行雄を指揮官に任命しました。これに対抗する形で、明友会は山口組との仲介を依頼するなどの動きを見せました。

戦闘の経過

1960年8月10日、山口組は戦争の作戦本部を大阪市東淀川区の旅館に設置。ここで、今後の方針や戦闘についての議論が行われました。同じ日の夕方には、明友会に対する攻撃準備として50名以上の組員が武装し、前線本部に結集しました。

8月12日、山口組は明友会の幹部を包囲し、銃撃戦が発生。これにより明友会幹部の李猛が重傷を負いました。明友会も retaliatory actionを取ることになり、その後の戦闘で加茂田組の組員が拉致され、リンチを受ける事件が発生しました。事態は次第に悪化し、互いに多くの組員が傷つく事態となりました。

8月21日、姜会長を含む明友会の幹部が指を詰めて戦闘の終結を図りました。8月23日には、両組織の手打ち式が行われ、この場には双方の幹部が出席しましたが、実質的には明友会側が全面降伏に等しい結果となりました。

抗争の結末

この抗争では、大阪府警が山口組側の56人を殺人と殺人未遂で検挙、最終的には84人を逮捕しました。特に柳川組のメンバーは戦功が認められ、後に山口組直系に昇格することとなりました。加茂田重政もこの事件により7年の懲役刑を受けましたが、控訴して保釈されました。この抗争を経て、明友会の幹部も新たな関係性を築くことに至りました。

明友会事件は、暴力団同士の抗争がもたらす負の影響と、それが地域社会や警察組織に与えた影響を浮き彫りにし、以降の抗争の在り方に対する考察を促す重要な事例として記憶されることとなりました。

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