柳川組

柳川組について

柳川組（やながわぐみ）は、大阪を本拠地とし、三代目山口組の二次団体として活動した暴力団である。1958年に柳川次郎によって設立され、翌年には山口組の若頭である地道行雄と杯を交わし、晴れて山口組の舎弟として認められた。柳川組は、武闘派として悪名高く、"殺しの軍団"とも称される存在だった。また、組織の全盛期には、傘下に73の団体と約1700名（準構成員を含めると約2800名）の組員を抱え、全国的に勢力を拡大させた。

歴史の中での柳川組の役割

柳川組は、三代目山口組の時代において、二次団体でありながら広域暴力団として唯一指定された。そのため、全国にわたる影響力を持ち、組織の戦力強化に寄与した。しかし、その存在は同時に警察当局との厳しい対立を招くこととなり、1969年には第一次頂上作戦の一環として解散を余儀なくされた。この解散により、柳川次郎および谷川康太郎は山口組から絶縁された。その後、残された組員たちは一会、章友会、藤原会、金田組に分かれた。柳川組は、多くの在日朝鮮人が所属していたことでも知られており、また、構成員の中には後に名を馳せる者が多く存在した。

歴代の組長

柳川組の初代組長は柳川次郎であり、本名は"梁元錫"（ヤン・ウォンソク）である。次いで、1964年から1969年までの間は谷川康太郎が二代目を務め、本名は"康東華"（カン・ドンファ）であった。どちらの組長も三代目山口組の若中として、組織の運営に深く関与していた。

主な出身者

柳川組からは、多くの有名な組長が輩出されている。例えば、石田章六（後に章友会の会長）、野沢義太郎（のちの一会会長）、金田三俊（四代目山口組舎弟）、藤原定太郎（藤原会会長）などがその代表事例である。また、木村忠雄や倉本広文、前田和男などもこの組織でキャリアをスタートさせた。

メディアにおける取り上げ

柳川組は、書籍、劇画、映像作品に至るまでさまざまなメディアで取り上げられている。飯干晃一の『柳川組の戦闘』や木村勝美の『殺しの軍団 柳川組 山口組全国制覇の先兵たち』は、その組織の歴史を知る上での重要な文献であり、また、映画『山口組外伝 九州進攻作戦』や『実録 柳川組 大阪戦争百人斬り』といった映像作品も制作された。

結論

柳川組の歴史は、日本の暴力団史の中でも特異な位置を占めるものであり、その影響力は現在に至るまで色濃く残っている。暴力団の属性や社会的な背景、さらには構成員の人間模様を知る上で、柳川組は非常に興味深い事例である。今後も、その活動や影響がどのように変遷していくのか、注目していく必要がある。

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