明徳皇后 (宋)

明徳皇后（めいとくこうごう）：北宋、太宗の皇后、李氏

明徳皇后は、北宋の太宗皇帝の3番目の妻であり、皇后として歴史に名を残しています。彼女は李氏を姓とし、その生涯は宮廷における模範的なものでした。

生い立ちと結婚

明徳皇后は、潞州上党県（ろしゅうじょうとうけん）の出身です。彼女の父は淄州刺史（ししゅうしし）を務めた李処耘（りしょうん）であり、母は陳氏（ちんし）でした。彼女は李処耘と陳氏の次女として生まれました。開宝年間（かいほうねんかん）に、太宗皇帝（当時は晋王）が最初の妻である符氏（ふし）と死別した後、彼女は晋王の妃として迎えられました。

皇后としての地位

太平興国3年（978年）7月、彼女は正式に入宮し、雍熙元年12月（985年1月）には皇后に冊立されました。彼女は、その端正な容姿と礼儀正しさ、そして仁厚な性格で知られていました。太宗との間には息子が1人いましたが、残念ながら早世しました。

皇太后として

至道2年（996年）には、李氏の嫡母である呉氏（ごし）が衛国太夫人（えいこくたいふじん）に、生母である陳氏が韓国太夫人（かんこくたいふじん）にそれぞれ封じられました。太宗が崩御した後、彼女は皇太后となり、西宮の嘉慶殿（かきょうでん）に移り住みました。咸平4年（1001年）には、李氏のために万安宮（ばんあんきゅう）が建てられ、彼女はここに住みながら万安皇太后と呼ばれるようになりました。

崩御とその後

景徳元年（1004年）3月、明徳皇后は万安宮にて崩御しました。彼女の諡（おくりな）は「明徳」とされ、太宗皇帝の永熙陵（えいきりょう）に合葬されました。

明徳皇后は、その生涯を通じて、皇后としての義務を果たし、宮廷における模範的な存在でした。彼女の仁徳と礼儀正しさは、後世にまで語り継がれています。

参考文献

『宋史』（そうし）巻242 后妃伝上 明徳李皇后伝
『宋会要輯稿』（そうかいようしゅうこう）巻12 后妃一 明徳李皇后

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