明日に向って走れ (吉田拓郎のアルバム)

アルバム『明日に向って走れ』の概要

『明日に向って走れ』（あすにむかってはしれ）は、1976年5月25日に吉田拓郎によってリリースされた6枚目のスタジオ・アルバムです。このアルバムは、松任谷正隆をアレンジャーとして迎えた、フォーライフ設立以降初のオリジナルアルバムであることが大きな特徴といえます。

背景と放送

1976年2月15日からの7週間、TBSの音楽番組『セブンスター・ショー』が放送され、素晴らしいアーティストたちがスタジオライブを行いました。その中で拓郎は、シングルリリース直後の3月28日の放送で最後の出演となり、フォークが一般の人々に受け入れられていることを強く示しました。このような音楽番組があったことで、彼のアルバムに対する注目度も高まりました。

ディスクジャケットとギター

アルバムのジャケットには、彼が特に愛用していた「ギブソン・J-45」が写っています。「J-45」は日本で吉田拓郎の名前と強い関連があり、彼が加藤和彦から譲り受けたこのギターは、彼の音楽活動の中で非常に重要な役割を果たしてきました。このギターは、1971年にリリースされた『よしだたくろう オン・ステージ ともだち』で既に使用されていたことから、1970年または1971年の初めに購入されたと考えられています。その後、拓郎はこのギターを使い続け、多くの名曲を生み出しました。彼に影響を受けて同じモデルのギターを手に入れたアーティストも多く、特に浜田省吾や長渕剛といった後輩たちがその代表例です。

アルバムの記録

本作は、1972年にリリースされた『元気です。』以来、4作連続でオリコンアルバムチャートの週間1位を達成した記録を持っています。この成功により、彼は日本の音楽シーンにおいて確固たる地位を築き上げました。

収録曲

アルバムの収録曲は全て吉田拓郎の手による作詞・作曲であり、編曲は松任谷正隆が担当しました。以下に収録曲を紹介します。

• - 明日に向って走れ
• - 一つの出来事
• - 水無し川 (作詞: 松本隆)
• - 僕の車
• - 我が身可愛く
• - どうしてこんなに悲しいんだろう
• - 我が家
• - 風の街 (作詞: 喜多条忠)
• - 午前0時の街
• - ひとり想えば
• - 明日の前に
• - 悲しいのは (作詞: 岡本おさみ)

これらの楽曲には、拓郎が他のアーティストに提供した楽曲のセルフカバーやリメイクも含まれており、彼の音楽の幅広さを感じさせる作品が多く収録されています。

参加ミュージシャン

このアルバムに参加したミュージシャンは、以下の通りです：

• - Piano, Electric Piano, Mandolin, Organ, Solina, Banjo, Steel Drum, Triangle, Flat Mandolin, Cenbaro: 松任谷正隆
• - E.Bass: 石山恵三
• - Drums: 重田真人・成沢彰三
• - Electric Guitar: 松原正樹・矢島賢
• - Steel Guitar: 駒沢裕城
• - Acoustic Guitar: 常富喜雄
• - Vocal, Acoustic Guitar, Blues Harp, Cowbell, Bottle Whistle, Ukulele: 吉田拓郎
• - Background Vocals: The Oils

このアルバムは、吉田拓郎の音楽キャリアにおいて重要な位置を占めており、彼の音楽的成長と日本の音楽シーンでの影響力を証明する作品です。

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