明星輪寺

明星輪寺（みょうじょうりんじ）

岐阜県大垣市にある明星輪寺は、真言宗に属する寺院であり、金生山（きんしょうざん）に位置しています。この寺院は、一般的には「赤坂虚空蔵」や「虚空蔵さん」という愛称で親しまれており、日本の三大虚空蔵の一つとしても知られています。

寺院の概要

明星輪寺の本尊は虚空蔵菩薩で、伝説によるとその彫刻は役小角によって洞窟の中に彫られたものです。寺院内には歴史的な価値を持つ文化財が数多く存在しており、特に西美濃三十三霊場の第31番札所として指定されています。

歴史的な背景

明星輪寺の歴史は686年、持統天皇の勅命により開山されたことにさかのぼります。開山した役小角は、２年後にこの寺を建立しましたが、しばらくの間は衰退してしまいました。しかし、801年に空海が寺を再興し、真言宗へと改宗させました。こうして、桓武天皇からの保護を受け、再び賑わいを見せることができました。

1148年には落雷による火災で焼失し、その後再建されましたが、規模は小さくなったといいます。1609年には高須藩藩主から支援を受けて再建され、1657年には大垣藩藩主からの更なる支援を受けて賑わう場所となりました。1863年には、戸田氏彬の援助で現在の本堂が完成しましたが、1869年に神仏分離令の施行により、蔵王権現宮が独立し金生山神社となりました。

文化財の数々

明星輪寺には、重要文化財が数多く存在します。平安時代の木造地蔵菩薩半跏像や鎌倉時代の木造金剛力士立像、室町時代初期に制作された梵鐘（1393年の銘）などが含まれています。岐阜県により指定された重要文化財や民俗文化財も存在し、地域の歴史や文化を深く知る手がかりとなっています。

交通アクセス

明星輪寺へのアクセスは、JR東海道本線の美濃赤坂駅からおよそ1.5キロメートルの位置にあります。また、JR大垣駅からは赤坂総合センター行きのバスに乗り、「虚空蔵口」バス停で降りれば、約1.0キロメートルの距離です。

虚空蔵さんにまつわる伝説

大垣市には虚空蔵さんに関連する昔話が伝わっています。ある日、虚空蔵さんが草むらで立ち小便をしていると、大蛇に出くわしました。実はこの大蛇は、虚空蔵さんに恋い焦がれるあまり姿を変えた女性だったとされています。怒った大蛇は追いかけてきましたが、虚空蔵さんは金生山の岩屋に逃げ込みました。この際、大蛇が岩屋を締め付けると、虚空蔵さんはその大蛇を神とし、尊重することを誓ったとも言われています。

この伝説は、人々の信仰を集め、明星輪寺が地域社会において重要な役割を果たしていることを示すものであり、訪れる人々に対しても深い感慨を与えるものとなっています。

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