明智町

概要

明智町（あけちちょう）は、かつて岐阜県恵那郡に存在した町です。2004年10月25日に恵那市との合併により廃止され、現在は恵那市の一部となっています。町域は、美濃三河高原に属する丘陵に囲まれた盆地に位置し、矢作川の支流である明智川が町内を流れています。

地理

明智町は、岐阜県の南東端に位置し、典型的な内陸性気候で、日中の寒暖差が大きいのが特徴です。冬は厳しい寒さに見舞われますが、積雪量は比較的少ない地域です。町域を流れる明智川は、南部で渓谷を形成しています。市外局番は、大半が0573（恵那MA）ですが、吉良見地区のみ0572（多治見MA）となっています。

町内には、以下の河川が流れています。

明智川
吉田川
阿妻川
高波川

現在の地区

旧明智町は、以下の地域で構成されています。

旧明知地域: 荒井、新井町、市場町、後山、駅前町、大久手、大庭、小畑、片平町、下ヶ渕、新町、常盤町、徳間町、東町、東山町、本町、的場町、宮町、向町、和合
周辺地域: 阿妻、大泉、大田、吉良見、杉野、滝坂住宅、野志、東方、横通

これらの地域は、さらに大字と字に細分化されています。

歴史

明智町の歴史は古く、鎌倉時代の1247年に遠山景重が明知城を築城したことに始まります。戦国時代には、織田氏と武田氏の抗争の舞台となり、明知遠山氏は徳川家康の下で生き残り、江戸時代には旗本として知行所を治めました。明智町は、中馬街道の宿場町としても発展しました。

明治・大正時代には、養蚕・製糸業が盛んでしたが、昭和時代には窯業が主要産業となりました。また、大正時代の西洋文化の影響を受けた建造物が数多く残っており、観光資源として活用されています。1984年には、これらの建造物を中心とした観光施設「日本大正村」が開村しました。

自治体の変遷

明智町は、幾度かの合併を経て現在の形になりました。主な変遷は以下の通りです。

1889年: 町村制施行により明知町、吉良見村、横通村、大泉村、大田村、杉野村、阿妻村、野志村が発足。
1897年: 明知町、野志村、杉野村、東方村が合併し、新たな明知町が発足。
1905年: 明知町の一部が静波村として分立。
1954年: 明知町と静波村が合併し、明智町が発足。
1955年: 三濃村の一部を編入、吉田村を編入。
2004年: 恵那市と合併し、自治体としての明智町は廃止。

経済

明智町の主な産業は、窯業と商業です。

教育

町内には、小学校、中学校、高等学校がありました。廃校となった学校もあります。

明智町立明智小学校
明智町立明智中学校
岐阜県立明智商業高等学校
（廃校）明智町立明智小学校横通分校
（廃校） 明智町立吉田小学校阿妻分校
（廃校） 明智町立東方小学校
（廃校） 明智町立東方中学校
（廃校） 明智町立吉田中学校
（廃校） 明智町立吉田小学校

交通

鉄道は、明知鉄道が通っています。

明知鉄道明知線: 明智駅 - 野志駅

バスは、東濃鉄道バスが運行しています。

道路は、以下の国道・県道が通っています。

国道363号
岐阜県道11号豊田明智線
岐阜県道20号瑞浪大野瀬線
岐阜県道33号瑞浪上矢作線
岐阜県道109号上仁木明智線

名所・旧跡・観光スポット

明智町には、以下のような名所・旧跡・観光スポットがあります。

日本大正村（複数の施設からなる野外博物館）
日本大正村役場（登録有形文化財、恵那市景観重要建造物）
日本大正村資料館（恵那市指定有形文化財）
大正時代館
大正ロマン館（山本芳翠の絵画『裸婦』は重要文化財）
逓信資料館
旧三宅家（恵那市指定有形文化財）
明知城址（白鷹城）
明知陣屋址
龍護寺
八王子神社
団子杉
明智映画劇場
ハッピー劇場
常盤座

祭事・催事

明智町では、以下のような祭事・催事が開催されています。

日本大正村クロスカントリー
ちょっとおんさい祭
光秀まつり
祇園祭り
八王子神社大祭

電気事業

旧明智町は、1907年に町営で電気事業を開始し、明智川に水力発電所を建設しました。

出身有名人

三宅正一（政治家）
* 山本芳翠（画家）

これらの情報を通じて、明智町が豊かな歴史と文化を持つ地域であったことが理解できます。現在は恵那市の一部となりましたが、その歴史と文化は今も大切に受け継がれています。

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