明治十四年の政変

明治十四年の政変（めいじじゅうよねんのせいへん）について

明治十四年の政変は、1881年10月に実施された日本の政治史における重要な出来事であり、大隈重信が明治政府から追放されたことで知られています。この事件は、自由民権運動の高まりや、開拓使官有物払下げ事件という背景を持っており、この時期の政府の構造に大きな変化がもたらされました。

政変前の状況

政変が起こる前の明治政府内では、1878年に大久保利通が暗殺され、伊藤博文が内閣の主導権を握っていました。この時、大隈は大蔵卿として重要な役割を果たしていましたが、彼は伊藤を支持すると公言していました。しかし、1880年頃から大隈が外債募集に関して伊藤と対立し、長州閥との間に緊張が生じるようになります。特に、意見の対立は次第に深まり、大隈は明治14年に入っても意見書を提出しないままでした。

大隈の意見書

1881年3月、大隈は有栖川宮から意見書を提出するように催促されます。この意見書においては「早急に欽定憲法を制定し、2年後に国会を開くべきである」と、急進的な内容が記されていました。この過激な意見は、伊藤の耳に入ることになりますが、彼は大隈の動きを疑うようになり、二人の関係はぎくしゃくしていきました。

開拓使官有物払下げ事件

政変の直接的な引き金となったのは、開拓使の官有物払下げ問題でした。1881年7月21日に黒田が閣議で払下げを提議し、その賛同に反対した大隈が閣議での敗北を感じたのもこの頃です。しかし、5日後、新聞で払下げ情報がリークされ、さらなる批判を引き起こしました。この騒動を受けて政府内で大隈に対する排斥の動きが加速していきました。

政変の進行と結果

1881年10月、天皇が地方巡幸を行った際、東京に残った伊藤、井上らは積極的に大隈排除の策を講じました。閣議で大隈の排斥がまとまり、最終的に大隈は正式に罷免される運びとなります。これに伴い、政府内での保守化が進行し、福澤諭吉の影響も排除されていきました。

政変の後の影響

政変を経て、大隈は政党結成に動き、立憲改進党の設立に関与しました。その後彼は1888年に政府に復帰し、外務大臣として活動することになります。しかし、政変によって生じた影響は大きく、長州閥の主導権が確立し、開拓使も廃止されました。また、伊藤はプロイセン型の憲法に傾倒し始め、この政治構造を根本から変える方向性を持つことになります。明治14年の政変は日本の政治における重要な転機であり、以降の政治体制に大きな影響を及ぼしました。

もう一度検索