明治生命館

明治生命館の概要

概要

明治生命館（めいじせいめいかん）は、東京都千代田区丸の内二丁目に位置し、1934年に完成した歴史的な建物です。この建物は、明治生命保険相互会社の本社として利用されており、現在も現役の企業ビルとして機能しています。設計を手掛けたのは岡田信一郎とその兄弟の捷五郎であり、構造設計は内藤多仲が行いました。施工は竹中工務店が担当し、その優れた設計と建築技術により、明治生命館は重要文化財として指定されています。

歴史の背景

この建物が建設される背景には、1928年に明治生命保険の業務拡大がありました。当時の三菱第2号館に隣接して、新たな本社にふさわしい建物の建設が決定されました。設計は指名コンペによって選考され、岡田信一郎の案が採用されました。旧社屋を取り壊した後、1930年に工事が開始され、1934年に竣工しました。

太平洋戦争後、明治生命館は連合国軍最高司令官総司令部（GHQ）によって接収され、アメリカ極東空軍の司令部として使われました。その後、1956年に明治生命保険に返還されました。1997年には、戦後の昭和時代の建物として初めて重要文化財に指定され、2001年の改修工事によって、建物は内部を含めて完全に保存され、見学が可能となりました。

現在の利用

明治生命館は現在も明治安田生命保険の本社として活用されており、1階には「丸の内お客様ご相談センター」が設置されています。また、2022年には三菱創業150周年を記念した展示室が移設され、「静嘉堂@丸の内」としてオープンしました。

建築の特徴

外観のデザイン

岡田信一郎は「様式建築の名手」として知られています。明治生命館もまた、古典主義様式に則ったデザインが施されています。特に、5階分のコリント式列柱が並ぶ外観は、その美しさに定評があります。この建物の近隣には、洗練されたモダニズム[[建築]]の傑作とされる東京中央郵便局があり、建物のスタイルが対照的です。

内部の意匠と設備

明治生命館の内部は、1階には吹き抜けとなった営業室が簡潔に構成されており、2階までの高さがあります。2階には回廊があり、執務室や会議室、食堂などが配置されています。また、社長室の内装には当時流行していたスパニッシュ様式も見受けられ、豪華さと機能性が融合しています。

特別な行事

明治生命館は、日本に派遣された特命全権大使や公使が天皇に信任状を提出する重要な儀式の際にも利用されており、その際は東京駅の丸の内口から車や馬車で移動する伝統があります。ただし、近年の東京駅の改装工事に伴い、2007年からは明治生命館前から出発することとなりましたが、2017年以降は再び東京駅前からの出発に戻されました。

このように、明治生命館は東京の歴史や文化に深く根ざした重要な建物であり、建築技術の粋を集めた名作であると言えるでしょう。

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