明治高校マンドリン部OB孝友会オーケストラ

明治高校マンドリン部・孝友会オーケストラは、2004年に明治高校マンドリン部の卒業生たちを母体として結成されたマンドリンオーケストラです。

この団体の大きな特徴は、音楽監督と指揮を久保田孝氏が務めている点にあります。そして、団員は明治高校マンドリン部に在籍していた際に、久保田氏から直接指導を受けたOBを中心に構成されています。これは、師である久保田氏の音楽観や指導理念が、団体のサウンドや活動方針に深く根ざしていることを示しています。

結成当初は「明治高校マンドリン部OB孝友会オーケストラ」という名称で活動を開始しましたが、2011年4月からは現在の「明治高校マンドリン部・孝友会オーケストラ」に改称し、活動を続けています。

主な活動の場は、毎年開催される定期演奏会です。2004年の第1回以降、少なくとも2015年の第12回まで継続的に実施されています。これらの定期演奏会は、日本大学カザルスホール、第一生命ホール、紀尾井ホールといった都内の主要なコンサートホールで行われてきました。

演奏プログラムは多岐にわたりますが、特にクラシックのオーケストラ作品や器楽曲をマンドリンオーケストラ向けに編曲した作品が多く取り上げられています。アントニン・ドヴォルザークの「弦楽の為のセレナーデ」やヨハネス・ブラームスの「悲劇的序曲」、ピョートル・イリイチ・チャイコフスキーの「スラヴ行進曲」「弦楽セレナーデ」、フランツ・シューベルトの交響曲第7番「未完成」などが、久保田孝氏による編曲で演奏されています。音楽監督である久保田氏自身による編曲作品が、演奏会の重要な柱となっていると言えるでしょう。

また、ウーゴ・ボッタキアリ、サルヴァトーレ・ファルボ＝ジャングレコ、ディーノ・ベルッティ、ラファエレ・カラーチェといったマンドリンオリジナル曲の作曲家による作品もプログラムに組み込まれています。そして何よりも、音楽監督自身である久保田孝氏が作曲したマンドリンオーケストラ作品が数多く演奏されている点が特筆されます。「舞踊風組曲」シリーズや「幻想曲」シリーズ、序曲、組曲、ユーモレスクなど、久保田氏の多様な創作活動の一端を垣間見ることができます。

定期演奏会では、マンドリン独奏をフィーチャーする企画も度々行われています。特に、日本マンドリン独奏コンクールで第1位を獲得した実績を持つ山室繁央氏や丸橋弘雅氏がソリストとして客演し、フンメルやヴィヴァルディのマンドリン協奏曲、サラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」などを披露しています。

さらに、定期演奏会の中には、第2回「久保田孝マンドリン演奏活動50年記念」、第9回「久保田孝の古希を祝して」、第12回「久保田孝マンドリン演奏活動60年記念」といった、音楽監督・久保田孝氏の節目を祝う特別なテーマが設けられた回もありました。これは、結成メンバーが久保田氏の指導を受けたOBであること、そして久保田氏が団体の音楽監督を務めていることの結びつきの強さを象徴しています。

定期演奏会以外にも、前橋マンドリンフェスタ、朔太郎音楽祭、大阪国際マンドリンフェスティバルなど、外部の音楽イベントにも積極的に参加し、活動の幅を広げています。

このように、明治高校マンドリン部・孝友会オーケストラは、久保田孝氏の指導のもと、OBたちがその音楽を受け継ぎ、クラシックからオリジナルまで幅広いマンドリンオーケストラ作品を探求し、演奏活動を展開している団体です。

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