明治24年度起業軍艦製造費

明治24年度起業軍艦製造費

明治24年度起業軍艦製造費は、1890年に日本海軍が提案した建艦計画の一環であり、初めて帝国議会に提出された予算案です。この計画は、海軍の近代化と艦隊の充実を目的としており、国防の強化を意図していました。

概要

1890年、海軍大臣の樺山資紀は、1891年度から始まる建艦計画と鎮守府の増設について、内閣総理大臣の山縣有朋に提案を行いました。この計画には、以下の艦艇の建造が含まれていました。

• - 甲鉄艦（各9,500トン）：2隻
• - 巡洋甲鉄艦（各6,000トン）：3隻
• - 一等巡洋艦（各4,500トン）：1隻
• - 二等巡洋艦（各3,500トン）：3隻
• - 三等巡洋艦（各2,500トン）：2隻
• - 四等巡洋艦（各1,500トン）：3隻
• - 一等水雷艦（各750トン）：8隻
• - 二等水雷艦（各500トン）：3隻
• - 一等水雷艇（各100トン）：20隻
• - 二等水雷艇（各30トン）：6隻
• - 二等運送船（各2,000トン）：1隻
• - 練習艦（各2,500トン）：1隻

合計で53隻、総トン数は75,680トンに達し、予算は5855万2645円の規模でした。ただし、実際には国庫からの支出金が521万円余であり、大規模な建艦予算を確保するのは現実的ではありませんでした。そのため、政府は老朽艦の補充に切り替え、より現実的な予算案を閣議決定し、第1回帝国議会に提出しました。

予算案の変更

結果として、削減された建艦計画は次のようになりました：

• - 二等巡洋艦：1隻
• - 三等巡洋艦：1隻
• - 一等水雷艦：1隻
• - 合計艦艇数：3隻（6,750トン）
• - 水雷艇：2隻
• - 新たに確保された予算は521万8216円で、これに基づく提案が1891年に第1回帝国議会で認可されました。

建造艦艇

この予算に基づいて建造された艦艇には以下があります：

• - 巡洋艦：吉野、須磨
• - 水雷艦：龍田
• - 水雷艇：第24号水雷艇、第25号水雷艇

日本の海軍力を強化するために重要なステップであるこの計画は、当時の国際情勢を反映したものであり、国防の整備に寄与しました。その後の海軍の成長と発展に大きな影響を及ぼしたのです。

参考文献

• - 『海軍軍備沿革』海軍大臣官房、1921年10月。
• - 「自24年至25年 呉にて水雷艇製造の件」『公文備考別輯 新艦製造書類 水雷艇2止 明治19～32』、JACAR:C11081489900。

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