明石一

明石 一 (あかし はじめ) の生涯と業績

明石一（あかし はじめ）は、1930年12月7日に東京府南多摩郡小宮町で生まれ、元男性声優、俳優、ナレーターとして活躍した檀家くらいの存在です。彼は本名を明石速男（あかし はやお）として知られています。1945年、東京都立石神井中学校を卒業した後、慶應通信教育と東京農工大学事務局で勤務しながら舞台芸術学院で学んでいました。

劇団と声優活動の始まり

1952年5月にラジオ東京放送劇団（後のTBS放送劇団）に入団し、彼はその後の多くの作品に出演します。明石はまた、1年ごとに更新される契約を結ぶ形で、優先的にラジオ東京の番組に出演することとなりました。劇団での活動に加え、りんどうプロにも所属していた時期がありました。

主にナレーションでの活躍が多く、特に1960年代には数多くの人気作品に登場しましたが、彼のキャリアは1970年に予想外の事態に見舞われます。

闘争ハンスト事件

1969年8月25日、明石はTBS放送局の役員室前でハンガー・ストライキを敢行しました。これは、TBSがラジオドラマの減少を受けて出演契約を廃止する決定を下したことに対しての抗議でした。ストライキ前に明石とTBS側との交渉は難航しており、明石は社員としての採用か高額な退職金を要求することに至りましたが、TBS側はその要求に応じることができませんでした。

このストライキは、初めは周囲の人々に驚きと混乱をもたらしましたが、次第に他の職場からの支援が集まり、彼の行動に同情する声明文が多数出されました。さらに、労働組合もこの事態を放置できなくなり、重要な動きが続きました。明石はハンストを続ける中で、TBS局長からの正式な交渉を求める提案もありましたが、彼は既に会社に対して強い不信感を抱いており、これを拒否しました。

事件は次第に大きな騒動となり、多くの人々が明石の側に立ちましたが、最終的に9月6日、彼は健康状態が悪化し、医師の指示により入院することになりました。この騒動の結果、明石は引退を余儀なくされることになりました。

裁判とその後

明石の引退後、労働組合は9月26日に彼の地位保全を求める仮処分の申請を東京地裁に行いましたが、10月30日には申請が却下されてしまいます。最終的には1977年4月まで続いた裁判の結果、彼は雇用契約の成立を認められなかったものの、解決金の支払いで決着がつきました。

出演作品

明石一が声を当てた作品には、1963年に放送されたテレビアニメ「エイトマン」や、ジャングル大帝、巨人の星など多くの作品が含まれています。彼のナレーションは多くのドラマや映画に使われ、特に1968年の「怪奇大作戦」ではナレーターとしての存在感を示しました。

明石一は、彼の長い業績の中で、日本の声優界に多大な影響を与えた人物として記憶されることでしょう。

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