明石伸子

明石伸子氏は、NPO法人日本マナー・プロトコール協会の理事長およびNHK経営委員を務める、マナー・プロトコールの専門家です。長年にわたる実務経験を基盤に、現代社会における礼儀作法や国際儀礼の重要性を啓発し、その普及・定着に大きく貢献しています。

そのキャリアは、1979年に日本航空株式会社に客室乗務員として入社したことから始まります。空の仕事で培った経験を経て、1988年からは株式会社テンポラリーセンター（現在の株式会社パソナ）にて役員秘書と新規事業の統括という責任あるポストを担いました。その後、株式会社イメージプランに移り、企業全体のイメージ向上を目指すCI（コーポレートアイデンティティ）や、従業員一人ひとりの自己実現を支援するPI（パーソナルアイデンティティ）に関するコンサルテーションに従事しました。

これらの経験を活かし、退職後に有限会社ブライトンを設立し代表取締役に就任（現在も兼任）。美容関連や医療関連企業を中心に、顧問やアドバイザーとして店舗運営、社員研修、顧客満足度（CS）向上指導などを実施しました。また、企業経営者や政治家といったリーダー層に対し、人として好感を得るための振る舞いに関するアドバイスも行っています。

特に、客室乗務員や秘書として磨いたスキルと経験から、日本の伝統的なしきたりや礼儀作法の奥深さ、そして国際社会で不可欠なプロトコールの重要性を強く認識。単なる形式に留まらない「マナーの本質」を探求し、その理念を広めることを目指して、2003年3月3日にNPO法人日本マナー・プロトコール協会の設立に参画しました。設立当初は理事・事務局長として、協会の運営基盤を構築し、活動を推進。特に、「マナー・プロトコール検定」制度を創設し、その定着と普及に尽力しました。検定制度に関連する教育教材の開発、指導者の育成、各種セミナーの企画・運営を積極的に展開するほか、官公庁、企業、教育機関などからの依頼に応じて、マナー講師として数多くのセミナーや研修、講演を行っています。歯科業界に加え、航空業界やホテル業界など、サービス産業との緊密な連携を持ち、幅広い分野で指導を行っています。2012年12月1日には同協会の理事長に就任。マナー・プロトコール検定は、その教育的意義が評価され、2016年には文部科学省の後援事業となりました。

社会的な活動も多岐にわたります。2019年6月20日には日本放送協会（NHK）の経営委員に就任しました。政府関係では、内閣府「男女共同参画連携会議」有識者議員（2013年9月～2019年8月）、内閣府「子ども・若者育成支援推進点検・評価会議」構成員（2013年10月～2021年3月）などを歴任。企業経営においては、株式会社ゆうちょ銀行社外取締役（2015年6月～2021年6月）、株式会社吉野家ホールディングス社外取締役（2019年5月～現在）を務めています。その他、一般社団法人日本バーメンス協会理事、一般社団法人日本ホテル・レストランサービス技能協会理事も務めています。

マナーに関する啓発活動の一環として、多くの著作も執筆しています。『あなたを輝かせる「大人のマナー講座」』や『セレブなお作法』、『間違いやすい順 社会人のマナー大全』など、実践的なマナーに関する書籍を発表。また、結婚式スピーチや学校向け教材など、様々な書籍やDVDの監修も手がけています。『週刊ホテルレストラン』や『教育再生』といった専門誌での連載を持つほか、日本経済新聞や朝日新聞などの主要メディアで、近所付き合い、引っ越し、食事、服装、冠婚葬祭など、幅広いテーマでのマナーに関する取材記事が多数掲載されています。さらに、『日経おとなのOFF』『日経ビジネス』『暮らしの手帖』といった一般向け雑誌でも、マナーに関する記事の監修や取材を受けるなど、その専門知識は広く社会に求められています。

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