明石製作所

株式会社明石製作所 (Akashi Seisakusho, Ltd.)

株式会社明石製作所は、かつて日本に存在した計測機器、試験機、そして電子顕微鏡の専門メーカーでした。1916年の創業以来、精密機器の国産化に貢献しましたが、1990年に会社清算という形でその歴史に幕を閉じました。

事業の継承

会社清算後、明石製作所の事業は二つの主要な企業に引き継がれました。

計測機器・試験機事業：株式会社アカシ（現ミツトヨの子会社）
電子顕微鏡事業：東芝グループ

主な製品

明石製作所は、多岐にわたる製品を提供していました。以下はその代表的なものです。

硬さ試験機：材料の硬さを測定する装置
振動計：機械や構造物の振動を測定する装置
地震計：地震の揺れを検知する装置
釣合い試験機：回転体のバランスを調整する装置
透過型電子顕微鏡：試料を透過した電子線を用いて拡大像を得る顕微鏡
走査型電子顕微鏡：試料表面を電子線で走査して拡大像を得る顕微鏡
電子線マイクロアナライザ：試料に電子線を照射して特性X線を分析し、元素の種類と量を特定する装置

沿革

1916年：明石和衛が東京市浅草区七軒町にて合資会社明石製作所を創業。精密機器の国産化を目指す。
1928年：合資会社を解散し、株式会社明石製作所を設立。
1956年：明石和彦が代表取締役社長に就任。
1985年：西ドイツのヴェッツラー市に100%出資の販売会社、Akashi Seisakusho,Ltd.GmbH を設立。
1990年：会社清算を決定。事業は東芝とミツトヨに継承。

未来技術遺産

明石製作所の製品の一部は、その技術的な価値が認められ、未来技術遺産に登録されています。

アームストロング型ビッカース硬度計VK型（1941年）
ビッカース微小硬度計MVK-50型（1954年）
基準ロックウェル硬さ試験機（1969年）

これらの硬度計は、国立科学博物館産業技術資料情報センターによって「ものづくりの裾野を支えた硬度計」として2010年度に登録されました。現在は、株式会社ミツトヨがこれらの資産を所有し、その技術を継承しています。

関連情報

株式会社ミツトヨ：明石製作所から一部事業を引き継いだ企業。
* ミツトヨ測定博物館（沼田記念館・測定機器館）：ミツトヨが運営する博物館で、測定機器に関する展示を行っています。

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