明石和衛

明石 和衛（あかし かずえ）の生涯

明石和衛は、1888年8月30日に東京で生まれた、日本の著名な機械工学者であり実業家です。東京帝国大学を卒業後、彼は明石製作所を創業し、工学博士として精密工学会の会長を務めました。また、彼は陸上競技とゴルフにも精力的に取り組み、スポーツ分野でもその名を馳せました。

学生時代と陸上競技

第一高等学校から東京帝国大学へ進学した和衛は、1913年に工科大学機械工学科を卒業しました。在学中は優れた陸上選手として活躍し、特に短距離走や中距離走、走幅跳での成績が目覚ましかったです。彼は国際オリムピック大会の選手予選会で、200m走と走幅跳での優勝を果たし、この時の記録は日本初の公式記録とされています。

1913年には、大日本体育協会が主催する第1回全国陸上競技大会にも参加し、100m走、200m走、110mハードルの3種目で優勝しました。翌年には第2回日本陸上競技選手権大会でも100m走で2連覇を達成し、2015年には全国陸上男子走幅跳で日本記録を樹立しました。また、彼は極東選手権に日本代表選手として参加するなど、日本の陸上競技の黎明期を支えた一人です。

明石製作所の創業

1916年、明石は明石製作所を設立しました。技術者としての彼の知識と経験を背景に、製作所は精密機器の製造を行い、高い評価を受けました。また、同年には金栗四三との共著で『ランニング』を発表し、短距離・中距離走の練習法についての知見を広めました。さらに、1917年には日本初の駅伝競走大会の運営にも関わり、スポーツの発展に寄与しました。

精密工学会とゴルフへの情熱

1928年には精密工学会の副会長に就任し、工学分野の進展にも貢献しました。また同年、彼はゴルフに本格的に取り組み、摂政杯を獲得し、強豪ゴルファーとして名を馳せました。1935年には富士ゴルフコースの設計にも関与しています。

晩年と業績

明石は1940年に勲六等単光旭日章を受章し、その業績が広く認められました。1945年、東京帝国大学より「支へ刃ノ負荷能力」に関する論文で工学博士号を取得。1948年には精密工学会の第3代会長に就任しましたが、1949年にはその職を退くこととなりました。

彼は1956年5月6日、後楽園球場でのプロ野球試合観戦中に急逝しました。享年68歳。彼の業績は今もなお、多くの方々に影響を与え続けています。

家族について

明石の家庭背景にも興味深い人物が揃っています。父は元鳥取藩士で出版業に従事していました。姉は陸軍軍医少将の妻として知られ、妻は聖心女子学院卒業生でした。明石の子供たちもそれぞれに成功を収めています。

主な著作

彼が残した著作としては、『ランニング』、および『岩波講座機械工学 5 工學測定 釣合試験』があります。これらの作品は、明石の専門的な知識を広める重要な資料となっています。明石和衛の業績は、スポーツと工学の分野において、今後も多くの人々に語り継がれていくでしょう。

もう一度検索