明石顕

明石 顕（あかし けん）は、1976年11月6日に東京都で生を受けた、日本の元陸上競技選手です。特に競歩を専門とし、50km競歩などの長距離種目で国内外の大会に出場しました。異色のキャリアとして知られるのは、海城中学校・高等学校から東京大学経済学部へ進学し、卒業後に陸上競技のトップ選手となった点です。

大学卒業後は綜合警備保障株式会社に入社し、同社の陸上競技部に所属して競技活動を続けました。コーチは、会社の先輩にあたる栁澤哲が務め、指導を受けながら競技力の向上に努めました。

競技キャリアの歩み

明石顕の競歩キャリアは、東京大学に進学した後に本格的に始まりました。大学の陸上競技部に入部し、競歩という競技に打ち込み始めると、その才能はすぐに開花。驚くべきスピードで国内トップレベルの選手へと成長を遂げました。

国内主要大会では、2001年から全日本競歩根上大会の男子30km競歩において、前人未踏の4年連続優勝を達成するなど、その実力は群を抜いていました。

国際舞台への挑戦も積極的に行いました。2002年には、ワールドカップ競歩の50km競歩に日本代表として出場し、世界の強豪が集まる中で44位に入りました。

彼の競技人生における大きなハイライトは、世界陸上競技選手権大会への複数回出場です。

2005年 ヘルシンキ世界陸上: フィンランドで開催された同大会の男子50km競歩に日本代表として出場。厳しいレースコンディションの中、3時間59分35秒の記録をマークし、15位という成績を収めました。これは、日本人選手として健闘した結果と言えます。

2006年 日本選手権: 国内の主要大会である日本陸上競技選手権大会の20km競歩では、3位に入賞し、短距離種目においても安定した強さを見せました。

2007年 シーズン: 新年最初のレースである元旦競歩の男子20km競歩で優勝を飾るなど、好調なスタートを切りました。同年に行われた第91回日本陸上競技選手権大会の50km競歩では2位に入り、国際陸上競技連盟が定める大阪世界陸上への参加標準記録を見事に突破。自身2度目の世界陸上代表に選出されました。

2007年 大阪世界陸上: 地元日本での開催となった世界陸上選手権に出場。大声援の中で行われた男子50km競歩では、日本人選手の中で最上位となる16位の成績を残し、日本の競歩界を牽引する存在であることを示しました。

2008年 シーズン: 自身初のオリンピック出場を目指し、北京オリンピック最終選考会を兼ねた日本陸上競技選手権大会の50キロ競歩に臨みました。しかし、惜しくも4位に終わり、オリンピック代表の座を逃しました。同年10月には、全日本50km競歩高畠大会で2位となるなど、依然として国内トップレベルの実力を維持していました。

自己記録

明石顕の持つ自己記録は以下の通りです。

20km競歩：1時間23分06秒（2007年樹立）
* 50km競歩：3時間50分11秒（2008年樹立）

学業とアスリート活動という二つの道を高レベルで追求し、日本の競歩界において国際的な実績を残した明石顕は、そのユニークな経歴と共に、多くの人々に記憶される選手です。

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