星に想いを(I.Q.)
作品概要
『星に想いを』(原題:I.Q.)は、1994年に
アメリカ合衆国で製作されたロマンティック・コメディ
映画です。フレッド・スケピシが監督を務め、
ティム・ロビンスと
メグ・ライアンが主演しました。この作品は、実在の人物である天才
物理学者アルバート・アインシュタイン博士をユニークなキャラクターとして描き、彼が愛する姪の恋愛を成就させるために奔走するという、フィクションに基づいた愉快な物語です。
ストーリー
物語の始まりは、誠実な自動車修理工であるエド・ウォルターズが、
プリンストン大学で数学を研究する知的な美女、キャサリン・ボイドと運命的な出会いを果たす場面です。二人は一瞬にして互いに惹かれ合いますが、論理と理論を重んじるキャサリンは、自身の内に芽生えた感情を認めようとはしません。
ある日、エドはキャサリンの自宅に忘れ物を届けに行った際、偶然にもキャサリンの叔父であるアルバート・アインシュタイン博士本人と対面します。偉大なる科学者が、キャサリンの親戚であることにエドは驚きを隠せません。
いたずら好きで人間味あふれる人物として描かれるアインシュタイン博士は、信頼する友人である著名な科学者たち――ネイサン、カート、ボリスとともに、エドとキャサリンのロマンスを応援することを決意します。彼らは、エドをキャサリンにふさわしい、もっと知的な魅力のある人物に見せるための計画を実行に移します。科学の知識をエドに教え込んだり、彼がキャサリンの前でより洗練されて見えるような助言を与えたりと、様々な方法で二人の仲を取り持とうとします。
同時に、アインシュタイン博士たちは姪のキャサリンに対しても、人生の真の価値は数字や理論だけでは測れないものであり、時には心で感じる「直感」や「愛」こそが大切であるということを、優しく示唆します。厳格な科学の世界で生きてきたキャサリンの心に、新たな感情の波が押し寄せます。天才科学者たちの温かい計らいと、不器用ながらもひたむきなエドの努力が、二人の関係をどう変えていくのかが見どころです。
キャスト
本作の主要キャストと、括弧内に記した日本語吹替版の声優は以下の通りです。
エド・ウォルターズ: ティム・ロビンス(
大塚芳忠)
キャサリン・ボイド: メグ・ライアン(
佐々木優子)
アルバート・アインシュタイン: ウォルター・マッソー(
富田耕生)
ジェームズ・モーランド: スティーヴン・フライ(大塚明夫)
ルイス・バンバーガー: チャールズ・ダーニング(
池田勝)
カート・ゴデル: ルー・ジャコビ(
茶風林)
ボリス・ポドルスキー: ジーン・サックス(
北村弘一)
ネイサン・リープクネヒト: ジョゼフ・メイハー(
村松康雄)
ボブ・ロゼッティ: トニー・シャルーブ(
田原アルノ)
フランク: フランク・ホエーリー
アイゼンハワー大統領: キーン・カーティス
特別捜査官: ダニエル・フォン・バーゲン(
辻親八)
ビル・ライリー: グレッグ・ジャーマン(クレジットなし)(
古田信幸)
豆知識:史実との違い
『星に想いを』は、実在の人物や時代背景を基にしながらも、物語の展開や人物設定には多くの創作が含まれています。主な史実との違いは以下の通りです。
アルバート・アインシュタイン博士に、作中のキャサリン・ボイドという名前の姪は存在しませんでした。
劇中で言及される量子力学に関するアインシュタインの著作は、現実には存在しません。
アインシュタインの友人として登場するカート・ゲーデルは、劇中での描かれ方とは異なり、実際は非常に内向的で人前に出るのが苦手な性格でした。
作中でアインシュタインと科学者仲間たちが同世代のように描かれていますが、史実では友人たちはアインシュタインより17歳から30歳ほど年下でした。
ニュージャージー州の実業家として登場するルイス・バンバーガーは、この
映画の舞台となっている時代(1950年代頃)には既に亡くなっています(
1944年死去)。
これらのフィクション要素が、作品をよりファンタジックでコメディタッチなものにしています。