星の子チョビン

『星の子チョビン』は、1974年 4月5日から9月27日までTBS系列で放送された全26話のテレビアニメです。この作品は、石森章太郎の原作に基づき、渡辺プロダクションのグループ会社である渡辺企画とTBSが共同で制作しました。放送は毎週金曜の19:30から20:00の時間帯で行われ、スタジオ・ゼロが手掛けた最後のアニメ作品でもあります。

概要

このアニメは、石森章太郎の先行作品とは異なり、よりファンタジー色が強い内容になっています。原作は講談社の『週刊少女フレンド』に1974年の14号から27号にかけて連載されました。ストーリーの中心には、宇宙を舞台にした冒険や友情が描かれています。アニメ版では、主題歌を歌った藍美代子や、ナレーションを担当した天地真理が作品に彩りを加えています。

あらすじ

物語の舞台は、宇宙に浮かぶ妖精の星フェアリー・スター。悪党ブルンガによってその星が乗っ取られ、王子チョビンは母親と共に故郷を逃げ出します。しかし、逃避行の最中にチョビンは母親と生き別れてしまいます。彼は地球のトンカラ森にたどり着くと、そこで少女ルリと出会い、彼女の家に身を寄せることになります。

小さな体のチョビンは、森に住む動物たちとともに母親を探し続け、父親から託された「星のしずく」を使ってフェアリー・スターに戻り、故郷の平和を取り戻そうとします。彼は、母を探すため、さらに悪党ブルンガが送り込む刺客たちにも立ち向かう勇気を持たなければなりません。

登場人物

- チョビン: フェアリー・スターの王子。逃げた先の地球でルリの家に住みつく。実は鞠のような体を持つ繭で、成長する過程にある。彼は「星のしずく」を守り、母を探す使命を持っています。
- エクレア王妃: チョビンの母親であり、逃避中に行方不明となります。
- 天川ルリ: 地球に住む少女で、チョビンの友達になる存在です。
- 天川博士: ルリの祖父で、元天文学者。隠居生活を送りつつチョビンを見守っています。
- トンカラ森の仲間たち: 食いしん坊なクマのクマンどんや、情報通のモンシロチョウのチロチョンなど、多様な個性を持つ動物たちが登場します。
- ブルンガ: 主人公の敵であり、フェアリー・スターを滅ぼした宇宙一の悪党です。

音楽と視聴

主題歌には「星の子チョビン」、エンディングには「星のしずくの子守唄」があり、両方とも藍美代子が歌っています。アニメは放送終了後、いくつかのメディアで再商品化が行われ、特に1994年のLD-BOXが初の全話商品化となりました。

その他の情報

このアニメは、スポンサーの関係で異なる時間帯でも放送され、一部の系列局では短い時差スポーツネットが行われたこともあります。また、2012年には再放送が行われ、多くのファンに再び親しまれることとなりました。

このように、『星の子チョビン』はファンタジーと冒険の要素が融合した作品で、視聴者に深い感動を与えたアニメとして多くの人々に記憶されています。

もう一度検索