少女フレンド

『少女フレンド』とは

『少女フレンド』は、かつて講談社から発行されていた日本の少女漫画雑誌です。1963年に週刊誌として創刊され、1996年に廃刊となるまで、多くの少女たちに愛されました。

創刊と競争の時代

『少女フレンド』は、1962年に休刊した月刊『少女クラブ』の後継誌として誕生しました。講談社は、『少女クラブ』と『なかよし』で培った少女向け雑誌のノウハウに、『週刊少年マガジン』で得た週刊誌作りの経験を加え、『少女フレンド』を創刊しました。

しかし、創刊直後から競合誌との激しい競争に晒されます。1963年には集英社の『マーガレット』が創刊され、少女漫画雑誌市場は激戦区となりました。さらに1970年には小学館の『少女コミック』も週刊化し、競争はさらに激化しました。

人気作品と雑誌の変遷

激しい競争の中で、『少女フレンド』は『はいからさんが通る』（大和和紀）や『生徒諸君!』（庄司陽子）といった人気作品を輩出しました。これらの作品は、当時の少女たちに大きな影響を与え、社会現象ともなりました。

しかし、競争の激化や時代の変化とともに、雑誌の勢いは徐々に低下していきました。1974年には週刊から月2回刊へと移行し、1991年には月刊誌へと変更されました。これらの変更は、雑誌の状況が厳しくなっていることを示唆していました。

廃刊とその後

1996年、『少女フレンド』は10月号をもって廃刊となりました。講談社の少女漫画誌の名門の廃刊は、多くの読者に衝撃を与え、テレビのニュース番組でも取り上げられました。その影響力の大きさを物語っています。

廃刊前には、後継誌としての役割を担う『デザート』が『Kiss』の増刊号として発行されました。執筆陣の多くは『少女フレンド』に所属していた若手漫画家であり、『デザート』は実質的な後継誌となりました。

『デザート』は数ヶ月ごとに発行された後、1997年9月号より月刊誌として新創刊されました。また、『少女フレンド』の増刊枠であった『ザ・フレンド』は、『デザート』の増刊枠である『ザ・デザート』に吸収される形で消滅しました。

関連雑誌

『少女フレンド』の関連雑誌として、『別冊フレンド』や『ハローフレンド』がありました。特に『別冊フレンド』は、2021年現在も存続しており、『少女フレンド』の系譜を継ぐ雑誌として活躍しています。

主な作家

『少女フレンド』では、多くの著名な漫画家が作品を発表しました。

赤塚不二夫 - 『ジャジャ子ちゃん』、『ヒッピーちゃん』、『てっちゃん』
あさぎり夕 - 『女の子の不・思・議』、『女の子のホ・ン・キ』、『紅伝説』
飛鳥幸子 - 『白いリーヌ』
石井まゆみ - 『びんばりハイスクール』、『気まぐれマロン』
犬木加奈子 - 『不思議のたたりちゃん』
今村洋子
楳図かずお - 『ねこ目の少女』、『へび少女』
里中満智子 - 『アリエスの乙女たち』、『ナナとリリ』
庄司陽子 - 『生徒諸君!』
関よしみ
手塚治虫 - 『リボンの騎士』
古谷三敏 - 『ピンキーちゃん』
細川智栄子 - 『あこがれ』
望月あきら - 『サインはV』（原作：神保史郎）
大和和紀 - 『はいからさんが通る』、『モンシェリCoCo』
西尚美 - 『まひろ体験』、『夏にきいてくれ』
わかつきめぐみ - 『きんぎんすなご』
文月今日子 - 『グリーン・レクイエム』（原作：新井素子）、『クレドーリア621年』
* 三浦実子 - 『緑夢』、『リターン』

これらの作家たちが、『少女フレンド』の歴史を彩りました。

『少女フレンド』の歴史的意義

『少女フレンド』は、日本の少女漫画史において重要な役割を果たした雑誌です。多くの人気作品を世に送り出し、少女漫画文化の発展に貢献しました。また、多くの漫画家を育成し、その後の漫画界に大きな影響を与えました。

『少女フレンド』は、廃刊となりましたが、その歴史と影響は今もなお語り継がれています。

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