星加雪乃

星加雪乃（ほしか ゆきの、1900年6月18日 - 没年不明）は、大正時代から昭和時代にかけて大阪を中心に活躍した女性日本画家です。美人画や風俗画を得意とし、当時の大阪画壇において独自の存在感を示しました。

略歴

星加雪乃は、北野恒富に師事しました。本名を操子（みさお）といい、大阪市此花区上福島町に生まれました。父は永松春洋の門下であった画家、星野鴨東です。星加は、北野恒富が1914年に結成した画塾「白耀社」でその才能を開花させました。同門の別役月乃、城田花乃、四夷星乃とともに、恒富門下の「雪月花星」と称され、将来を嘱望されました。

1921年には、第3回帝展に「お伽噺」を出品し、見事入選を果たしました。この入選は、彼女の画家としての地位を確立する上で重要な出来事となりました。

作風と作品

星加雪乃の作品は、伝統的な日本画の技法に基づきながらも、大正ロマンの雰囲気や、女性らしい繊細な感性が感じられるのが特徴です。美人画においては、単に美しい女性を描くだけでなく、その内面や感情までも表現しようとする姿勢が見られます。

確認されている作品には以下のようなものがあります。

「舞妓」：大正時代の作品。
「お伽噺」：1921年、第3回帝展に出品され入選を果たした作品。
「初夏」：1940年の作品。紙本着色で、大阪中之島美術館に所蔵されています。

評価と影響

星加雪乃は、大正から昭和にかけての大阪画壇において、女性日本画家として独自の足跡を残しました。北野恒富の指導のもと、確かな技術を培い、同時代の女性画家たちと切磋琢磨しながら、独自の表現を追求しました。彼女の作品は、現在でも大阪中之島美術館などで鑑賞することができ、当時の大阪の美術界を知る上で貴重な資料となっています。

参考文献

日展史編纂委員会編 『日展史6 帝展編1』 日展、1982年
芳賀登他編 『日本人物情報大系7』 皓星社、1999年
中野雅宗編著 『日本書画鑑定大事典』第9巻 国書刊行会、2012年

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