星空の用心棒

『星空の用心棒』



概要


『星空の用心棒』(ほしぞらのようじんぼう、原題:伊: I lunghi giorni della vendetta / 英: Long Days of Vengeance)は、1967年に制作されたイタリアのマカロニ・ウェスタン映画です。この作品の主演はジュリアーノ・ジェンマが務め、アレクサンドル・デュマ・ペールの名作小説『モンテ・クリスト伯』を西部劇の形で再解釈したものと言われています。興味深いことに、作品のタイトルに「星空」という言葉は使われていますが、物語の中にそのような情景は存在せず、「用心棒」も登場しない点が特筆されます。

あらすじ


物語は、テッド・バーネットが不正な策略によって無実の罪に追いやられるところから始まります。彼は、テキサスの山奥にある厳しい刑務所で30年の強制労働を言い渡されていました。しかし、彼は辛抱強く脱獄の機会をじっと待ち続け、ついにその瞬間が訪れます。脱獄したテッドは、自らを牢獄に送り込んだチャールスタウンの大地主コッブ、彼の部下であるゴメス、そして保安官のダグラス、さらには彼の妻ドリーに対する復讐を決意します。

テッドはまずゴメスをターゲットに選びます。ゴメスは、彼を根絶やしにしようと手下に指示を出しますが、逆にテッドが反撃します。ゴメスの家を訪れた彼は、真犯人が誰であるかを聞き出すことに成功し、抵抗したゴメスを射殺します。次にテッドは、旅の途中で出会ったイカサマ師とその娘ダルシーを助け、共に馬車に乗ってチャールスタウンへ向かいます。

町に到着すると、テッドはコッブが鉄道を利用して武器を密売しようとしているという計画を知ります。彼はその列車を襲撃し、夜にはダグラスの家に侵入します。そこでダグラスが自分の父親を殺したことを聞き、テッドは彼を射殺します。コッブは、メキシコ人との武器の取引を待ち受けていたものの、到着した列車は空っぽであることを知り、テッドの仕業であることに気づきます。コッブは怒り狂ったメキシコ人たちをなだめ、取引を中止させます。

しかしテッドは諦めず、さらにメキシコ人たちを煽ろうとしますが失敗し、逆に彼らから襲われます。彼はダルシーたちの助けを得てなんとか脱出し、町の判事にコッブの罪を告発し、無実を証明させようと試みます。しかし、判事は証拠を得ることができず、逆にコッブによって言いくるめられてしまいます。

結局、テッドは死刑にされる運命に直面しますが、最後の瞬間、ダグラスの証拠を持って判事が駆けつけ、テッドの無実を証明します。コッブは怒りのあまりドリーを射殺し、判事も銃撃の中で負傷します。息を呑むような銃撃戦の末、テッドはコッブと対峙しますが彼の銃には弾が殆ど残されていません。しかし、コッブが近づいてきた瞬間、テッドの手から飛び出した一発の弾が、意外な形でコッブの運命を決定づけることになります。

この映画は、復讐というテーマを軸にしたエモーショナルで緊迫感あふれるストーリーを描いており、観客に深い印象を残す作品として記憶されています。

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