星薬学専門学校 (旧制)

星薬学専門学校：星薬科大学の前身校

星薬学専門学校は、1941年（昭和16年）に設立された日本の旧制薬学専門学校であり、現在の星薬科大学へと発展した重要な前身校です。その歴史は、さらに遡り、星製薬株式会社の社内教育機関から始まります。本稿では、星薬学専門学校の歴史と、その前身である星製薬商業学校についても詳しく見ていきます。

星製薬からの教育への取り組み

星製薬株式会社（創業者：星一）は、1911年（明治44年）に社内に「教育部」を設置、社員教育に力を入れていました。その後、1921年（大正10年）には「星薬業講習会」を開設し、より体系的な教育体制を構築します。これらの取り組みは、専門性の高い人材育成を目的とした、星製薬の企業理念の表れと言えるでしょう。

星製薬商業学校：専門教育の礎

1922年（大正11年）、星製薬は品川区荏原に「星製薬商業学校」を開設します。これは、薬学分野における専門教育機関への第一歩となりました。商業学校という名称ながら、薬学関連の教育も含まれていたと考えられ、星薬学専門学校設立への重要な礎を築いたと言えるでしょう。初代校長には星一が就任しました。星一は1922年2月から1944年3月まで校長を務めました。

星薬学専門学校の設立と開校当初の困難

1941年（昭和16年）、「星薬学専門学校」が設立されました。しかし、開校当初は入学者選抜を巡って校内で大きな紛糾が生じ、文部省の介入を招きました。その結果、多くの学生が東京薬学専門学校や明治薬学専門学校へと転校せざるを得ない状況となりました。この出来事は、星薬学専門学校の歴史において大きな転換点であり、その後の発展に影響を与えたと考えられます。

星薬学専門学校の校長

星薬学専門学校の校長は、設立当初から幾人かの方々が務めました。山口誠太郎氏は1941年4月から1942年12月まで、大條正雄氏は1942年12月から1947年2月まで校長職に就きました。その後、村田重夫氏が1947年2月から1950年2月まで事務取扱校長として学校運営に尽力しました。

星薬科大学への発展

1950年（昭和25年）、星薬学専門学校は新制大学として「星薬科大学」へと認可を受け、新たな歴史の幕を開けました。星製薬商業学校から始まり、星薬学専門学校を経て星薬科大学へと至る道のりは、困難もあったものの、薬学教育への強い意志と努力によって築き上げられた、輝かしい歴史と言えるでしょう。

参考文献

星薬科大学史写真集 星薬科大学史編纂委員会　1987年（昭和62年）3月

これらの情報から、星薬学専門学校は単なる教育機関ではなく、星製薬の企業理念と発展の歴史を体現する存在であったことがわかります。その歴史は、現代の星薬科大学へと脈々と受け継がれ、日本の薬学教育に大きく貢献していると言えるでしょう。

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