星野遺跡

星野遺跡概要

星野遺跡（ほしのいせき）は、栃木県栃木市に位置する重要な考古学的スポットであり、後期旧石器時代から縄文時代にかけての文化を知る上で欠かせない遺跡です。この遺跡は永野川の左岸、特に星野山口周辺の山口台地に広がり、1966年に栃木市の指定史跡に認定されました。

発見の経緯

1965年頃、地元の税理士で考古学に興味を持つ斎藤恒民が、永野川沿いで珍しい石を発見したことがこの遺跡の研究のきっかけとなりました。この石は日本では産出されない、チャート製のルバロワ石核に似たもので、斎藤はそれ以降も遺物の収集や調査を続けました。彼の発見を受けて、東北大学の調査チームと地域の教育委員会が合同で調査を行うことになりました。

調査は1965年から1978年にかけて行われ、その結果、約8万年前に遡る前期旧石器時代の証拠が見つかりましたが、その多くは自然石であった可能性が高く、今でも多くの問題が残されています。これは、厳密には新たな旧石器時代の遺跡発見というよりも、初めての発掘として重要な位置づけられています。

調査の詳細

芹沢長介教授が指導する元、発掘調査は5つの地点にわかれ、特に第3地点では複数のトレンチが設けられ、詳細に調査されました。調査によると、地表下には13層の土層が確認され、鹿沼軽石層と呼ばれる層からは大量の珪岩製の旧石器が発見されました。出土した石器の種類にはチョッパーや尖頭器、スクレイパーが含まれ、その精巧な作りが注目されました。

一方で、調査結果には説得力を欠く点が多く、石器とされたものが自然石であったのではないかという議論も未だに続いています。特に堤隆研究員は、出土した石器が全て自然のものであると結論付けています。

現状とアクセス

星野遺跡に訪れる際は、JR両毛線・東武日光線の栃木駅から「星野・出流行き」のふれあいバスを利用し、「星野遺跡」バス停で下車します。また、自動車の場合は東北自動車道の栃木ICからアクセス可能で、新道が開通し、より便利になっています。

星野遺跡記念館

斎藤恒民は1985年に私費で星野遺跡記念館を建設しました。2007年の彼の死後は一時期休館状態でしたが、2017年に彼の遺族から栃木市に寄贈され、再度整備されて2021年に新たに開館しました。この記念館は遺跡とその周辺の文化を学ぶための重要な場所となっています。

このように、星野遺跡は古代人類の生活や文化を探る大変貴重な場所であり、今後も多くの研究と探査が期待されています。

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