春清寺

春清寺（しゅんせいじ）

春清寺は、東京都三鷹市に位置する曹洞宗の寺院であり、釈迦如来を本尊としています。山号は大原山です。この寺院は、古くからの歴史を持ち、特に柴田家との関係が深いことで知られています。

歴史の始まり

春清寺の歴史は慶長7年（1602年）にさかのぼります。この年、青山百人組の一員であった大原春清（のちの無徹玄心）が草庵を設けたことが、寺の創立のきっかけとなりました。後に豊臣秀吉に仕えた柴田勝家の孫、柴田勝重がこの草庵を改築し、春清寺を中興したとされています。

勝重は、彼の祖先を弔うためにこの寺院に奉納され、当時の曹洞宗の高僧を招いて開山しました。そのため、現在も泉竜寺を本寺として位置づけています。彼は寛永9年（1632年）に病死し、春清寺に埋葬されました。寺院内には彼の墓があるほか、三代にわたる柴田氏の墓もここに作られています。

墓所と記念碑

柴田勝重の墓石は、「宝篋印塔」と呼ばれる独特の形状をしており、三鷹市内では唯一のもので重要な文化財とされています。また、寛政8年（1796年）には勝重の10代目の子孫である勝房が歴代の功績を記した「柴田家家碑」を建立しました。この碑には、柴田家一族の20基の墓碑が立っています。

村の活動

元和元年（1615年）に、勝重は大坂の陣での戦功により、武蔵国の地を賜りました。これにより、春清寺が地域の重要な拠点としての役割を果たすようになりました。寺院は、地域住民にとって重要な宗教的・教育的機関ともなり、明治初期には「寺小屋」が設立され、読み書きの教育が行われました。この活動が後に「仙流学舎」として知られるようになったと伝えられています。

祭りと伝統

春清寺は、地域の行事や祭りの中心でもあり、観音会や阿弥陀講、庚申講などの伝統行事が今でも行われています。特に、8月10日に催される観音会には多くの参拝者が訪れ、活気のある光景が広がります。また、大正時代には境内で馬かけや自転車競争が行われ、地域住民と訪問者が一緒になって楽しむ催しとなっていました。

復興と近年の活動

1938年から1940年にかけては雷や地震による被害を受け、被災後に多くの堂宇が復壊しました。特に、震災後の改修は、歴代の住職によって着実に進められました。近年では、檀信徒の寄付によって新しい本堂や客殿が建立され、現代においても活発な活動が続いています。また、平成5年（1993年）には新本堂の落慶法要が行われ、歴史ある寺院の新たな一歩が記されました。

大仏の建立

さらに、春清寺では、昭和53年（1978年）にスリランカを訪れた際の経験を元に、大仏の建立が決まりました。この大仏は、スリランカの芸術家によって作られたもので、座高は3.35メートルにも及び、春清寺の新しいシンボルとなっています。

アクセス

春清寺へのアクセスは、京王電鉄京王線の仙川駅から徒歩約20分、または小田急バスを利用することで、便利に訪れることができます。文化と歴史を感じることができるこの寺院は、多くの訪問者を迎え入れています。

もう一度検索