春風亭枝雀

春風亭枝雀（しゅんぷうてい しじゃく）は、落語家・音曲の名跡です。
代々、その名を継ぐものが存在し、それぞれの時代で活躍しました。

歴代の春風亭枝雀は以下の通りです。

初代 春風亭枝雀 - 後に四代目 三升亭小勝
二代目 春風亭枝雀 - 後に四代目 春風亭柳枝
三代目 春風亭枝雀 - （1876年12月1日 - 没年不明）
12、3歳頃に四代目 麗々亭柳橋に入門し柳松を名乗る。
1895年に小松、翌年三代目 柳枝の門で枝雀となる。
1902年頃までは消息が確認できるが、それ以降は不明。（本名:中村 圧松）
四代目 春風亭枝雀 - 後に三笑亭芝雀
五代目 春風亭枝雀 - 後に六代目 春風亭柳橋
六代目 春風亭枝雀 - 後に春風亭華扇
七代目 春風亭枝雀 - 本項で記述

本項では、七代目 春風亭枝雀（1899年4月1日 - 1981年6月23日）について解説します。

七代目 春風亭枝雀について

七代目 春風亭枝雀（しゅんぷうてい しじゃく、本名：松田 福次郎）は、明治32年（1899年）4月1日に群馬県館林町（現：館林市）で生まれました。出囃子は『喜撰』。

生涯

東京神田で育ち、父親は巡査をしていました。

大正7年（1918年）10月、四代目 春風亭柳枝に入門し、「玉枝」を名乗ります。

大正10年（1921年）3月、師匠である柳枝が華柳と改名したのに伴い、二ツ目に昇進し、「華好」と改名しました。

昭和2年（1927年）12月、四代目 春風亭柳昇と共に真打に昇進し、「枝雀」を襲名しました。

その後、昭和5年（1930年）に吉本興業に所属し、上方で「喜劇民謡座」を立ち上げ、座長に就任。「掛合い音曲」で人気を博しました。

戦後の昭和28年（1953年）には、三代目 桂三木助に誘われ、日本芸術協会（現：落語芸術協会）に加盟し、戦後数少ない色物の音曲師として活躍しました。

昭和48年（1973年）、文化庁芸術祭優秀賞を受賞。

昭和56年（1981年）6月23日、心不全のため死去。82歳でした。

功績

七代目春風亭枝雀は、戦後の寄席において、色物の音曲師として貴重な存在でした。

「ご存じ古今東西噺家紳士録」には「寄席の唄」が収録されているほか、各局のラジオ局に音源を残しており、その功績を偲ぶことができます。

参考資料

* 諸芸懇話会、大阪芸能懇話会共編『古今東西落語家事典』平凡社、ISBN 458212612X

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