春風亭柳橋 (7代目)

七代目 春風亭 柳橋について

七代目春風亭柳橋（しゅんぷうてい りゅうきょう）は、落語の世界でその名を広く知られる存在でした。本名は駒木根正男で、1935年8月12日に東京都で生まれました。彼が生涯で培った落語の技術は、彼を単なる芸人以上の存在としました。

来歴

彼の落語家としてのスタートは、1952年4月に三代目桂三木助に入門したことから始まります。このとき、彼の前座名は「桂木久夫」となりました。1956年には二ツ目に昇進し、「桂木久助」に改名しました。更に1959年には、師匠が日本芸術協会を離れたため、彼も新たな道を模索し、六代目春風亭柳橋の門下へと移り、「春風亭愛橋」として活動を続けました。

1964年には真打に昇進し、「春風亭柏枝」と名乗ります。この名義のもとで、数々の公演を重ね、1974年には文化庁芸術祭で優秀賞を受賞するという栄誉を手にしました。1982年には七代目春風亭柳橋を襲名し、以降はその名で多くのファンに親しまれました。彼はまた、落語芸術協会の副会長としてもその指導力を発揮しました。

その悲運の生涯は2004年10月31日に幕を閉じました。彼は消化管間葉系腫瘍により、69歳という若さで逝去しました。彼の死は多くの落語ファンの間で惜しまれました。

人物像

春風亭柳橋は、病と闘いながらも高座に立ち続けた強靭な精神の持ち主でした。彼は生前に8回もの手術を経験しており、その苦労を心配した三代目三遊亭遊三からも「お腹のところにチャックをつけたらどうですか」と冗談ながら言われたエピソードも残っています。彼の姿は、落語家としての真摯な姿勢と共に、治病との闘いの象徴でもありました。

演目とスタイル

彼の得意としたネタの中でも特に有名なのは、三代目桂三木助譲りの「三井の大黒」です。この作品では、彼の巧みな語り口と演技力が生かされ、聴衆を魅了しました。彼の演じる落語には、独特の人情味と温かさが感じられ、多くのファンを惹きつける要因となりました。

芸歴の整理

• - 1952年 - 三代目桂三木助に入門し、「木久夫」としてスタート。
• - 1956年 - 二ツ目に昇進し、「木久助」に改名。
• - 1959年 - 六代目春風亭柳橋の門下に移り、「愛橋」に改名。
• - 1964年 - 真打に昇進し、「柏枝」を名乗る。
• - 1982年 - 七代目春風亭柳橋を襲名。

弟子たち

彼の教えを受けた弟子には、八代目春風亭柳橋や春風亭べん橋がいます。春風亭べん橋は七代目死後、八代目の門下に入るなど、彼の影響は弟子たちへと受け継がれています。また元弟子には春風亭木久枝や春風亭柏葉がいます。

関連書籍

彼の人生や芸を詳しく知りたい方には、鈴木直編の『七代目春風亭柳橋―至福の古典落語』（2006年）や『七代目春風亭柳橋 お直し』（2008年）などの書籍がオススメです。

まとめ

七代目春風亭柳橋は、落語家としての活躍はもちろんのこと、その人間性や不屈の精神でも多くの人々に記憶されています。彼の教えや作品は、今なお多くのファンに受け継がれ、愛され続けています。

もう一度検索