春風亭栄橋

春風亭栄橋について

春風亭 栄橋（しゅんぷうてい えいきょう）は、1939年3月5日に東京都秋川市で生まれ、2010年1月12日に亡くなった著名な落語家です。彼の本名は山田昌男であり、出囃子には『喜撰』が使われていました。東京都立国立高等学校を1957年に卒業後、彼は三代目桂三木助に弟子入りし、落語の道に踏み出しました。最初は「桂木久夫」の名前で活動しており、1960年には三木助の脱会に伴い、六代目春風亭柳橋門下に移籍して「春風亭柳夫」と改名します。

芸歴と活躍

栄橋は1961年に二ツ目に昇進し、その際に「栄橋」と名乗ります。彼のキャリアは1967年に始まる日本テレビの『笑点』への出演で大きく花開きました。特に、1973年10月に三遊亭圓太と共に真打に昇進したことが印象深い出来事です。彼は1980年に文化庁芸術祭優秀賞を受賞し、落語界での地位を確立しました。また、1988年4月には明治座で「春風亭栄橋の会」が開催され、業界の仲間たちが彼を支援しました。

苦闘の人生

栄橋の人生は、芸人としての輝かしいキャリアの裏で、パーキンソン病との戦いによって彩られていました。彼が病を発症した時期は不明ですが、初めはアルコール中毒と考えられていたため、早期の診断が行われませんでした。また、彼は若い頃に酒のトラブルによる怪我で左眼を失明しています。病名がわかり、恩師である立川談志に相談したところ、彼は「自分のすべてをさらけ出せ」と促しました。そのため、栄橋は1980年にテレビで自身の病気について公表し、客前でそれを明かしました。

対策と復帰

栄橋の病状は改善されなかったものの、彼は立川談志の助けによりヨットスクールに入学しました。同じく談志の弟子たちも付き添い役として参加し、彼は療養を続けながらも、時折、高座に復帰するようになりました。栄橋の日々の苦闘は、彼自身の芸風にも影響を与え、多くのファンを持つようになりました。

家族との関係

彼の妻、山田光恵は1992年に『もう一度聴きたい寄席囃子』という書籍を出版し、病を抱える夫との生活を振り返る内容が収められています。栄橋はその軽快な芸風で、多くの人々に愛された落語家であり、病に立ち向かう姿勢がファンを魅了しました。彼の最後の高座への復帰は感動的なものであり、彼の人生は多くの人々に影響を与え続けています。栄橋は70歳でこの世を去りましたが、彼の存在は今もなお多くの人々に記憶されています。

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