昨日消えた男 (1964年の映画)

昨日消えた男

『昨日消えた男』は、1964年に公開された日本の映画で、森一生監督による時代劇サスペンス作品です。本作は、1941年に公開された同名作品のリメイクであり、オリジナルはアメリカの作家ダシール・ハメットによるミステリー小説『影なき男』がもとになっています。このため、本作は西洋のミステリーを舞台にした時代劇というユニークな背景を持っています。

概要

江戸時代中期、物語は8代将軍の徳川吉宗が主人公です。吉宗は同心の身分を偽り、事件解決に関与することを望みます。彼の願いがかなった結果、町では様々な事件が勃発します。彼は飲み屋「碇屋」で浪人の大橋兼四郎と出会い、一緒に住むことになりますが、その長屋では死体が見つかるなど、不穏な展開に見舞われます。

あらすじ

物語は、江戸時代中期の町から始まります。徳川吉宗は、同心の大岡越前守忠相に頼み込み、同心としての職に就くことになります。今回は、勅使の着任を前に、町の現場で活躍したい意図があったのです。吉宗は飲み屋「碇屋」の女将・お浪が切り盛りする店で、浪人の大橋兼四郎と知り合います。しかし、兼四郎の長屋に着くと、すでに惨劇が待ち受けていたのです。

兼四郎の長屋には、何者かによって殺された死体が転がっています。死体は、碇屋で「美濃屋の幽霊船」との噂を流していた巳之吉でした。この事件を調査するため、吉宗は巳之吉の雇い主である河内屋善左衛門に兼四郎を紹介しますが、善左衛門は動揺の色を隠せず、吉宗たちを追い返してしまいます。善左衛門の一人娘・お園によると、父は3年前から急に様子がおかしくなったと言います。

その後、碇屋では別の殺人事件が発生。続けて3人目、4人目の死者が出ます。吉宗は関与する人物たちの動きをつかみつつ、美濃屋に関する秘密を探ります。そして、兼四郎やお浪、お園は美濃屋の手下に捕まり、秘密の穴蔵に閉じ込められます。そこで彼らは、美濃屋が幕府転覆を企む大名や浪人に武器を売る商人であることを知ります。

この一連の出来事の裏には、河内屋が知っていた秘密があることが判明します。吉宗は仲間を救出し、美濃屋の計画を阻止するため尽力する中、貯蔵されていた弾薬が爆発します。吉宗は、兼四郎らの命を救った後、勅使を迎えるため急ぎ江戸城へ戻り、そこで兼広が兼四郎に扮していたことを知ることになります。

スタッフ

本作のスタッフには、監督の森一生をはじめ、企画の財前定生、脚本の小国英雄などが名を連ねています。撮影や音楽、美術、編集といった各分野でも多くの才能が結集されています。

キャスト

主演には市川雷蔵が8代将軍吉宗を演じ、他にも高田美和、藤村志保、宇津井健が重要な役を演じています。

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