昭和女子大学環境デザイン学部

昭和女子大学環境デザイン学部は、東京都世田谷区にキャンパスを構える昭和女子大学が設置する学部の一つです。ここでは、人間を取り巻く「環境」と、それをより豊かにするための「デザイン」という視点から、幅広い分野を横断的に学び探究します。具体的には、建築やインテリアといった空間のデザインから、身の回りのプロダクト（工業製品）、そしてファッションに至るまで、多岐にわたるデザイン領域を教育・研究の対象としています。さらに、これらのデザイン活動を社会に実装するためのマネジメントやプロデュースといった、事業的な側面も学修内容に含まれています。

学部内には環境デザイン学科が置かれており、学生は入学後、自身の興味や将来の目標に合わせて専門性を深めるための4つのコースを選択します。建築・インテリアデザインコースでは、快適で機能的な建築空間や魅力的なインテリアの設計・デザインを探求します。プロダクトデザインコースでは、日用品から工業製品まで、人々の生活を彩り、より便利にする「モノ」のデザイン開発に取り組みます。ファッションデザインマネジメントコースでは、衣服や装飾品のデザインに加え、アパレル産業における企画、生産、流通、販売といったビジネス戦略やブランド運営についても学びます。そしてデザインプロデュースコースでは、デザインの力を活用して新たな価値を創造し、プロジェクトを企画・実行・管理する能力を養います。

この学部の歴史は、昭和女子大学の開学にまで遡ることができます。新学制のもと、1949年に日本女子専門学校を改組して昭和女子大学が開学した際、学芸学部が設置され、その中に被服学科が誕生しました。続いて1951年には、学芸学部に生活科学科が加わります。1953年に学芸学部は文家政学部へと名称を変更しました。生活科学の考え方に基づき、被服学、住居学、文化史を研究対象とする生活美学科が文家政学部に設立されたのは1962年のことです。その後、1978年には文家政学部が文学部と家政学部に再編され、生活美学科は家政学部に編入されました。

大学院においても関連分野の研究体制が整備されていきます。1986年には大学院家政学研究科修士課程が開設され、生活造形学専攻が誕生しました。この専攻は後に、住居や被服に関する講座と食物栄養学専攻の一部の講座が統合される形で生活科学研究専攻へと発展し、生活素材講座と生活機能講座によって構成されました。さらに1989年には、大学院生活機構研究科が開設され、博士後期課程として生活機構学専攻が併置されるに至ります。1994年には学部名称の変更があり、家政学部は生活科学部となりました。翌1995年には大学院家政学研究科が廃止され、その生活科学研究専攻は大学院生活機構研究科に編入されます。そして、生活科学部内の生活美学科は、1998年に生活環境学科と名称を改めました。大学院においても改組が進み、2007年には生活機構研究科の生活科学研究専攻を基盤として、環境デザイン研究専攻（修士課程）が新たに設けられました。長年にわたり、生活科学や家政学、そして生活環境といった分野で培われてきた教育・研究の蓄積を継承・発展させる形で、2020年、生活科学部生活環境学科を母体として環境デザイン学部が誕生し、その中に現在の環境デザイン学科が設置されたのです。

学部の教育と連携する大学院としては、男女共学の生活機構研究科に環境デザイン研究専攻が設けられています。ここでは、学部の学びをさらに深め、専門性を高めたい学生や、新たな研究テーマに取り組みたい研究者が集い、高度な知識と研究能力を修得することを目指します。環境デザイン学部は、その歴史的な背景を活かしながら、現代社会が求める多様なデザインニーズに応え、人間生活や社会、そして環境に貢献できる人材の育成に取り組んでいます。

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