昭和美術館

昭和美術館

昭和美術館（しょうわびじゅつかん）は、愛知県名古屋市昭和区汐見町にある私立の美術館です。設立は1978年で、設置者は公益財団法人後藤報恩会です。美術館の周囲は静かな住宅地に囲まれており、敷地面積は広大な2200坪に及びます。

歴史

この美術館の歴史は、1935年に遡ります。この年に、渡辺規綱が居住していた別邸である南山寿荘が、現在の美術館の敷地内に移築されました。1978年に昭和美術館が正式に開館し、地域の文化的な拠点として多様な美術品の展示が始まりました。そして1981年には、南山寿荘が「旧渡辺家書院及び茶室」として愛知県の指定文化財に認定されました。一方で、近年には深刻なパワーハラスメントの問題が発生し、2018年には名古屋高裁がこれを認定し、違法な退職勧奨があったとして美術館側が敗訴しました。この問題は美術館にとって暗い歴史の一部となっています。

美術館の所蔵品

昭和美術館は、後藤安太郎と彼の長男である後藤幸三が収集した茶道具を中心に、多くの美術品を所蔵しています。所蔵品の総数は約800点にものぼり、特に茶道具に関しては、高い価値を持つ品々が展示されています。展示自体は年に数回行われており、訪れる人々に日本の伝統文化や芸術の深さを伝えています。

施設の概要

美術館内には南山寿荘があるほか、和室や別館も完備されています。和室は茶会や特別展示会など、多目的に利用されており、地域の文化活動の一環として重要な役割を果たしています。また、露地には池や自然林を利用した美しい庭園が整備され、訪問者が静かな環境でアートを楽しめるよう配慮されています。

文化財の紹介

昭和美術館では、特に重要文化財として指定された以下の品々を所蔵しています。

• - 源家長筆熊野懐紙
• - 宇多院歌合
• - 永久四年四月四日院北面和歌合
• - 万葉集（紀州本）20帖

これらの品々は、特に日本の歴史を紐解く貴重な資料であり、2017年に重要文化財として認定されています。万葉集の写本は鎌倉時代に一部が書写された後、室町時代に別の巻が追加で書写されており、その歴史的な価値は計り知れません。
また、「旧渡辺家書院及び茶室」も愛知県の指定文化財として大切にされています。

利用案内

昭和美術館の開館時間は午前10時から午後4時までですが、休館日は原則として月曜日と火曜日です。名古屋市営地下鉄鶴舞線の「いりなか駅」から徒歩約15分の位置にあり、アクセスも便利です。

まとめ

昭和美術館は、静かな環境の中で貴重な美術品を楽しむことができる場所です。美術館自体の歴史や文化財の魅力は、訪問者に対して日本の伝統文化への理解を深める素晴らしい機会を提供してくれます。

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