時の鐘 (さいたま市)

時の鐘（ときのかね）

埼玉県さいたま市岩槻区本町六丁目に位置する「時の鐘」は、長い歴史を持つ鐘楼であり、現在はさいたま市指定の有形文化財として知られています。これは地域のシンボル的存在であり、地元住民や観光客に愛されています。

歴史的背景

時の鐘の始まりは、江戸時代の1671年（寛文11年）に遡ります。この年、阿部家第4代岩槻藩主の阿部正春によって、岩槻城の鐘楼として渋江口に設置されることとなりました。この鐘楼は、「岩槻に過ぎたるもの」として有名な児玉南柯とともに称賛を受け、地域の名所となっていきました。

その後、1720年（享保5年）には永井家第3代藩主の永井直陳によって鐘が改鋳され、さらに天保年間には鐘楼自体が焼失するという事態もありました。しかし、幸いにも大岡家第7代藩主の大岡忠恕の時代に新たに鐘楼が建て直され、現在の姿が形作られたのです。

文化財としての指定

1958年（昭和33年）2月21日、この鐘は岩槻市の有形文化財として指定され、その後、岩槻市がさいたま市に編入された際にも文化財としての指定が継続されました。地域の文化的遺産として、今なおその価値は高く評価されています。

鐘の歴史と復活

江戸時代には、時の鐘は1日12回も鐘を撞いていましたが、明治時代にその伝統は途絶えてしまいました。その後、大正時代に再び朝夕の6時に鐘が鳴らされるようになり、地域に安心感を与えました。

さらに、2011年（平成23年）5月1日からは約140年ぶりに正午の鐘をも鳴らすこととなり、これにより観光客を含む多くの人々がこの歴史的な鐘の音を耳にすることができるようになりました。

アクセス

時の鐘の所在地は、埼玉県さいたま市岩槻区本町六丁目229番1です。最寄りの交通手段は、東武野田線の岩槻駅から徒歩約10分とアクセスも良好です。地域の散策を楽しみながら、歴史的な鐘楼を訪れてみるのも良いでしょう。

まとめ

時の鐘は、江戸時代から続く深い歴史を持つ地域の宝ともいえる存在です。地域の文化を教えてくれるこの鐘楼は、今後も多くの人たちに親しまれ、愛されていくことでしょう。

もう一度検索