時空警察ハイペリオン
概要
『時空警察ハイペリオン』は、2009年7月25日に劇場公開された日本の特撮映画です。また、同年7月31日には、劇場版に未収録の場面を含む2部構成のDVDとしてもリリースされました。この作品は、2001年から展開されたオリジナルビデオやテレビ特撮番組『時空警察ヴェッカー』シリーズのスピンオフにあたります。特に、シリーズ第3作『時空警察ヴェッカーシグナ』に登場した時空刑事オリオン、こと折尾光四郎を演じた和田三四郎と、彼の宿敵であった織田優生を演じた森久保祥太郎のダブル主演が大きな特徴です。
ストーリー
主人公の折尾光四郎は、相棒の冬木玲菜とともに横浜で探偵事務所を営んでいますが、その正体は23世紀の時空警察から派遣された時空刑事オリオンとレナリーです。彼らは時空犯罪を追っていますが、普段の仕事はペット探しばかり。ある日、兄の失踪捜索依頼を受けた二人は、異形の時間犯罪者の襲撃を受けます。その危機を救ったのは、玲菜の友人のはずの時空特捜サリーこと春日さりあでした。しかし、さりあは玲菜を知らないと言い放ち、光四郎に激しい敵意を向けます。辛うじてその場を脱出した光四郎たちの前に現れたのは、かつて彼らの仇敵だった織田優生でした。予測不能な事態の中、時空刑事たちの戦いが展開されます。
登場人物
折尾 光四郎（時空刑事オリオン）
多くの時空刑事が憧れる存在。21世紀に派遣され、探偵として偽装しながら時空犯罪を追います。演じるのは和田三四郎。
織田 優生（もう1人の時空刑事オリオン）
突如光四郎の前に現れた、もう一人のオリオン。『ヴェッカーシグナ』の優生と同名同顔ですが、光四郎とは対照的な斜に構えた性格。演じるのは森久保祥太郎。
冬木 玲菜（時空刑事レナリー）
光四郎のパートナー。『シグナ』での研修生を経て時空刑事となり、共に21世紀で活動。探偵業の傍らメイド喫茶でも働きます。演じるのはしほの涼。
三ツ星 ひかり（時空刑事リゲル）
織田優生のパートナー。任務中は冷静沈着、私生活では世話焼き。演じるのは山口ひかり。
時空特捜アレス
時空犯罪者を抹殺すべきと考える異端の特別捜査官。演じるのは寺島拓篤。
一條 海人（時空刑事カイト）
メカに強く、優生が弟のように慕う時空刑事。自ら志願して1989年の世界へ派遣されます。演じるのは入野自由。
瀬野 理香子
行方不明の兄の捜索を光四郎に依頼し、物語の発端となる女性。演じるのは村田あゆみ。
ニーナ・ケルガー（時空刑事ニーナ）
24世紀の時空警察の刑事。未来の危機を伝えるため現代に現れます。演じるのは新名彩乃。
春日 さりあ（時空特捜サリー）
『シグナ』の主人公。玲菜の親友でありながら、光四郎に敵意を向けます。演じるのは葉月あい。
シド・ヨーハン
24世紀の時空警察長官。特別出演は黒部進。
* 咲山 健太
光四郎の探偵事務所が入るビルのオーナー。過去の出来事から気弱な性格。特別出演は高峰圭二。
製作
『時空警察ヴェッカーシグナ』のサブキャラであるオリオンを主人公とする構想を畑澤和也監督が持っていたところ、企画がマクザムの目に留まり、オリジナルDVD作品として制作が決定しました。その後、シネマート新宿の協力によりシリーズ初の劇場公開も実現しました。タイトルの「ハイペリオン」は「超オリオン（hyper-orion）」を意味しており、女性中心のイメージが強かった従来のシリーズに対し、男性キャストを前面に出す意図が込められています。
世界観は『シグナ』を継承しつつ、これまでのシリーズでは否定されていたパラレルワールドの概念が物語の核心となっています。脚本は、アニメ界で評価の高い竹田裕一郎が実写作品で初めて担当。彼の緻密なSF設定が本作の骨子を支えています。また、制作会社プロデューサーの松本竜欣の人脈により、コスチュームデザインに木村貴宏、音楽に永田一直・吉田哲人など、多方面から才能あるスタッフが参加し、従来のインディーズ特撮との差別化が図られました。
キャスティングでは、スーツアクターの和田三四郎に加え、森久保祥太郎をはじめとする多くの人気声優が顔出し出演している点が特筆されます。普段「中の人」として活躍する彼らの俳優としての実力を見せることがコンセプトの一つとされ、共演者もしばしば声優陣の台詞の力強さに感嘆したといいます。また、『シグナ』主演の葉月あい、しほの涼が続投。新ヒロイン役には、畑澤監督の別作品でアクションが評価された山口ひかりが起用されました。さらに、『ウルトラマン』の黒部進、『ウルトラマンA』の高峰圭二といった往年の特撮ヒーローを演じた俳優が特別出演したことも話題となり、声優と特撮界のコラボレーションとしても注目を集めました。
劇中には、主人公・折尾光四郎が黒スーツに帽子・サングラス姿でスクーター（ベスパ）に乗るなど、探偵ドラマ『探偵物語』へのオマージュが見られます。これは、未来人である光四郎が現代世界で探偵を名乗るにあたり、『探偵物語』のDVDを見て探偵のスタイルを研究したという設定に基づいています。
音楽
オープニング主題歌「Never surrender」（劇場版・DVD第1巻）および「Parallel World」（DVD第2巻）、エンディング主題歌「Home sweet home」（DVD第1巻）は、主演の森久保祥太郎が作詞・作曲・歌唱を担当。「Parallel World」は、本作のテーマである対立するものを抱える人間の葛藤を表現した激しい楽曲です。DVD第2巻のもう一つのエンディング主題歌「いまの君が遠くても」は美郷あきが歌唱しています。サウンドトラックは、音楽ユニットFANTASTIC EXPLOSIONの再結成後初のアルバムとしてリリースされました。
DVDリリース・派生作品
劇場版は、本来DVD作品として企画されていたものを再編集したものです。劇場公開から間もなく、未公開シーンを含むディレクターズカット版DVDとして『時空警察ハイペリオン [旅立2009]』と『時空警察ハイペリオン [決着1989]』の2巻が発売されました。当初は続編が想定されていたため、この2巻だけでは物語は完結していません。劇場版では映画としての完結を考慮し、エンディング後に真のエピローグが追加されています。このエピローグを含む劇場公開版DVDは、『時空警察ハイペリオン the MOVIE』として後日リリースされました。
派生作品としては、公式サイトで畑澤監督によるサイドストーリー小説『時空警察ハイペリオン ROUND 0』が連載されました（サイト消滅により未完）。また、劇場公開翌年には、森久保祥太郎主演のドラマCD『時空警察ハイペリオン外伝 幕末異聞伝』も発売されています。
『時空警察ハイペリオン』は、2009年7月25日に劇場公開された日本の特撮映画です。また、同年7月31日には、劇場版に未収録の場面を含む2部構成のDVDとしてもリリースされました。この作品は、2001年から展開されたオリジナルビデオやテレビ特撮番組『時空警察ヴェッカー』シリーズのスピンオフにあたります。特に、シリーズ第3作『時空警察ヴェッカーシグナ』に登場した時空刑事オリオン、こと折尾光四郎を演じた和田三四郎と、彼の宿敵であった織田優生を演じた森久保祥太郎のダブル主演が大きな特徴です。
ストーリー
主人公の折尾光四郎は、相棒の冬木玲菜とともに横浜で探偵事務所を営んでいますが、その正体は23世紀の時空警察から派遣された時空刑事オリオンとレナリーです。彼らは時空犯罪を追っていますが、普段の仕事はペット探しばかり。ある日、兄の失踪捜索依頼を受けた二人は、異形の時間犯罪者の襲撃を受けます。その危機を救ったのは、玲菜の友人のはずの時空特捜サリーこと春日さりあでした。しかし、さりあは玲菜を知らないと言い放ち、光四郎に激しい敵意を向けます。辛うじてその場を脱出した光四郎たちの前に現れたのは、かつて彼らの仇敵だった織田優生でした。予測不能な事態の中、時空刑事たちの戦いが展開されます。
登場人物
折尾 光四郎（時空刑事オリオン）
多くの時空刑事が憧れる存在。21世紀に派遣され、探偵として偽装しながら時空犯罪を追います。演じるのは和田三四郎。
織田 優生（もう1人の時空刑事オリオン）
突如光四郎の前に現れた、もう一人のオリオン。『ヴェッカーシグナ』の優生と同名同顔ですが、光四郎とは対照的な斜に構えた性格。演じるのは森久保祥太郎。
冬木 玲菜（時空刑事レナリー）
光四郎のパートナー。『シグナ』での研修生を経て時空刑事となり、共に21世紀で活動。探偵業の傍らメイド喫茶でも働きます。演じるのはしほの涼。
三ツ星 ひかり（時空刑事リゲル）
織田優生のパートナー。任務中は冷静沈着、私生活では世話焼き。演じるのは山口ひかり。
時空特捜アレス
時空犯罪者を抹殺すべきと考える異端の特別捜査官。演じるのは寺島拓篤。
一條 海人（時空刑事カイト）
メカに強く、優生が弟のように慕う時空刑事。自ら志願して1989年の世界へ派遣されます。演じるのは入野自由。
瀬野 理香子
行方不明の兄の捜索を光四郎に依頼し、物語の発端となる女性。演じるのは村田あゆみ。
ニーナ・ケルガー（時空刑事ニーナ）
24世紀の時空警察の刑事。未来の危機を伝えるため現代に現れます。演じるのは新名彩乃。
春日 さりあ（時空特捜サリー）
『シグナ』の主人公。玲菜の親友でありながら、光四郎に敵意を向けます。演じるのは葉月あい。
シド・ヨーハン
24世紀の時空警察長官。特別出演は黒部進。
* 咲山 健太
光四郎の探偵事務所が入るビルのオーナー。過去の出来事から気弱な性格。特別出演は高峰圭二。
製作
『時空警察ヴェッカーシグナ』のサブキャラであるオリオンを主人公とする構想を畑澤和也監督が持っていたところ、企画がマクザムの目に留まり、オリジナルDVD作品として制作が決定しました。その後、シネマート新宿の協力によりシリーズ初の劇場公開も実現しました。タイトルの「ハイペリオン」は「超オリオン（hyper-orion）」を意味しており、女性中心のイメージが強かった従来のシリーズに対し、男性キャストを前面に出す意図が込められています。
世界観は『シグナ』を継承しつつ、これまでのシリーズでは否定されていたパラレルワールドの概念が物語の核心となっています。脚本は、アニメ界で評価の高い竹田裕一郎が実写作品で初めて担当。彼の緻密なSF設定が本作の骨子を支えています。また、制作会社プロデューサーの松本竜欣の人脈により、コスチュームデザインに木村貴宏、音楽に永田一直・吉田哲人など、多方面から才能あるスタッフが参加し、従来のインディーズ特撮との差別化が図られました。
キャスティングでは、スーツアクターの和田三四郎に加え、森久保祥太郎をはじめとする多くの人気声優が顔出し出演している点が特筆されます。普段「中の人」として活躍する彼らの俳優としての実力を見せることがコンセプトの一つとされ、共演者もしばしば声優陣の台詞の力強さに感嘆したといいます。また、『シグナ』主演の葉月あい、しほの涼が続投。新ヒロイン役には、畑澤監督の別作品でアクションが評価された山口ひかりが起用されました。さらに、『ウルトラマン』の黒部進、『ウルトラマンA』の高峰圭二といった往年の特撮ヒーローを演じた俳優が特別出演したことも話題となり、声優と特撮界のコラボレーションとしても注目を集めました。
劇中には、主人公・折尾光四郎が黒スーツに帽子・サングラス姿でスクーター（ベスパ）に乗るなど、探偵ドラマ『探偵物語』へのオマージュが見られます。これは、未来人である光四郎が現代世界で探偵を名乗るにあたり、『探偵物語』のDVDを見て探偵のスタイルを研究したという設定に基づいています。
音楽
オープニング主題歌「Never surrender」（劇場版・DVD第1巻）および「Parallel World」（DVD第2巻）、エンディング主題歌「Home sweet home」（DVD第1巻）は、主演の森久保祥太郎が作詞・作曲・歌唱を担当。「Parallel World」は、本作のテーマである対立するものを抱える人間の葛藤を表現した激しい楽曲です。DVD第2巻のもう一つのエンディング主題歌「いまの君が遠くても」は美郷あきが歌唱しています。サウンドトラックは、音楽ユニットFANTASTIC EXPLOSIONの再結成後初のアルバムとしてリリースされました。
DVDリリース・派生作品
劇場版は、本来DVD作品として企画されていたものを再編集したものです。劇場公開から間もなく、未公開シーンを含むディレクターズカット版DVDとして『時空警察ハイペリオン [旅立2009]』と『時空警察ハイペリオン [決着1989]』の2巻が発売されました。当初は続編が想定されていたため、この2巻だけでは物語は完結していません。劇場版では映画としての完結を考慮し、エンディング後に真のエピローグが追加されています。このエピローグを含む劇場公開版DVDは、『時空警察ハイペリオン the MOVIE』として後日リリースされました。
派生作品としては、公式サイトで畑澤監督によるサイドストーリー小説『時空警察ハイペリオン ROUND 0』が連載されました（サイト消滅により未完）。また、劇場公開翌年には、森久保祥太郎主演のドラマCD『時空警察ハイペリオン外伝 幕末異聞伝』も発売されています。
もう一度検索
【記事の利用について】
タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。
【リンクついて】
リンクフリーです。