時空警察ヴェッカー

時空警察ヴェッカー

『時空警察ヴェッカー』は、2001年6月21日に日本コロムビアからリリースされた特撮ドラマです。全3巻が出ており、これは時空警察ヴェッカーシリーズの第一弾です。この作品は、プロデューサーの畑澤和也が手がけ、彼の監督デビュー作でもあります。元々は特撮ドラマ『千年王国III銃士ヴァニーナイツ』の仕上がりを受けて制作が進められました。しかし、当初はテレビシリーズとしての展開が難しかったため、自主制作という形式で作られました。これが日本コロムビアの目に留まり、商品化される運びとなったのです。

本作品の注目すべき点は、渡洋史が監督として関わっていることです。渡は企画段階から参加し、第1巻と第2巻では出演も果たしていますが、監督を担当したのは全3巻の中で第3巻のみでした。これにより、彼の経験と個性が作品に色濃く反映されています。

物語の構成は、過去、未来、そして現在に焦点を当てた3つのエピソードからなっており、各巻で異なる時空間の刑事たちが主人公として登場します。各エピソードは、独立したストーリーでありながら、全体としても緻密なリンクが組まれていて、視聴者を飽きさせません。特撮の表現方法や、1980年代の変身ヒーロー作品へのオマージュが散見され、特に主人公たちが着用する「クロノスーツ」は、本作の重要な要素です。

各巻の主役を務める新人女性アイドルたちは「ヴェッカん娘」と呼ばれ、イベント出演などにも積極的に参加しました。特に、フランスのSF作品コンベンション「カルニスト」でのパフォーマンスは大好評で、スタンディングオベーションを受けるなど、その影響力は大きかったです。また、渡との繋がりから、続編となる『アイドル刑事S』では、「ヴェッカー編」として本作のキャラクターたちがゲスト出演することもありました。

本作品は、その後のシリーズ化へと繋がり、2002年には『時空警察ヴェッカーD-02』が制作されました。この作品でも本作のキャラクターたちが関連付けられ、物語の広がりを見せています。

あらすじ

Age.1 PAST 時空刑事ユリー 〜時空の輪舞（ときのロンド）〜

2159年、西暦に設定された物語では、時空刑事のヴァーンが1500年代の時空の歪みを解明する任務を受けます。兄に対する劣等感を抱える妹ユリーは、何とか自らの力で過去へ飛び込み、勇敢にもその任務を果たそうと奮闘します。

Age.2 FUTURE 時空刑事ミリー 〜遥かなるプレリュード〜

2001年、特に際立つのが加藤美里という名門校の生徒の物語です。彼女は未来に時空移動させられ、そこで出会うヴァーンによって時空犯罪者の存在を知ることとなります。

Age.3 PRESENT 時空刑事リリー 〜夢見るラプソディー〜

時空刑事リリーは、現代の東京で逃亡した犯罪者を追う任務に挑みます。彼女は新たなパートナーに出会い、21世紀の生活を楽しみながら、任務に臨みます。

主な登場人物

• - ユリー・カトー：新任の時空刑事で、自らの存在を証明しようと奮闘。
• - 加藤美里（ミリー）：承認されることを望む女子高生、時空刑事へと成長。
• - 時空刑事リリー：特務捜査官で、自由な発想を持つキャラクター。

音楽と文化

主題歌や挿入歌も本作の魅力を引き立てており、特に「熱い砂の上のBlood, Sweat & Tears」は、そのリズム感と歌詞で視聴者の耳を惹きます。

このように、『時空警察ヴェッカー』は、独自の世界観と魅力的なキャラクターたちが織りなす物語を通じて、多くのファンを魅了した特撮ドラマです。

もう一度検索