黒部進

黒部進（くろべ すすむ）

黒部進は日本の俳優であり、特撮作品での演技によって特に知られています。1939年（昭和14年）10月22日生まれで、富山県黒部市出身です。本名は吉本隆志（よしもとたかし）で、富山県立桜井高等学校を経て中央大学経済学部を卒業しました。

彼の芸能活動は、赤坂プロ、エヌ・エー・シー、竹内事務所、アクターズプロモーションを経てアートプロモーションに所属するまで続きました。長女の吉本多香美も女優として活躍しており、彼女は『ウルトラマンティガ』に出演したことで知られています。

来歴

黒部進の生家は農業を営んでおり、父は教師でした。中央大学に合格した後、東京へ上京するものの、都会の生活に悩んで遊びに明け暮れた結果、劇団表現座に所属し演劇活動を始めました。生活が厳しくなり、ホームレス生活を送ることになりましたが、その間に靴磨きをして生計を立てました。ある日、靴磨きに訪れた監督、山本嘉次郎から東宝のニューフェイスの受験を勧められます。

1962年、第3回オール東宝ニュータレントに応募し、同期の中で首位で合格。合格通知を受け取り損ねたこともあり、運命の出会いがあったとはいえ彼の苦悩の歴史は深いものでした。その後、日本舞踊やモダンバレエ、セリフの練習を行い、1963年には石坂洋次郎原作の作品『暁の合唱』で俳優デビュー。プロデューサーから「黒部進」の芸名を与えられるものの、撮影中はうまくいかず、次第に悪役としてキャリアを積むことになります。

さらに、1964年の本多猪四郎監督による『三大怪獣 地球最大の決戦』への出演をきっかけに、特撮界における常連となり、数々の作品に出演します。1966年には『ウルトラマン』のハヤタ役に抜擢され、その結果として黒部は一躍有名になりました。この作品は平均視聴率36.8パーセントを記録し、彼は「正義のヒーロー」として認知されるようになります。

その後の活動

『ウルトラマン』の放送後、彼は東宝映画やテレビドラマに出演し、1969年に東宝を退社。その後は主にテレビ業界にシフトし、時代劇や特撮でゲストの悪役を務めます。また1977年には『小さなスーパーマン ガンバロン』で悪役とは異なる執事役にも挑戦。1990年代に入ると再び特撮ブームが訪れ、彼の特撮における活動機会が増えていきます。

2005年には『ウルトラマンマックス』で40年ぶりに防衛幹部役として、2006年には再びハヤタ役として『ウルトラマンメビウス』に出演。このように、黒部は長年にわたりそのキャリアを維持し、さまざまな役柄を演じ続けてきました。

人柄と趣味

特技としては乗馬を挙げており、趣味はアフリカ旅行や陶芸、料理です。彼はまた、アフリカの孤児院の建設や里親募集運動に取り組むなど、多様な活動を行ってきました。ヒーロー役から悪役に転じた際には、それを楽しんでいたとのことです。

現在も、黒部進は日本の特撮界でその存在感を示し続けており、多くのファンから愛されています。また、家族としても愛娘である吉本多香美と共演したり、CMなどでも親子共演を果たし、彼らの絆は深いものであることを示しています。

結論

黒部進はただの俳優ではなく、子供たちに夢を与え続けるヒーローであり、数々の作品や社会貢献を通じて多くの人々に影響を与える人物です。彼の存在と活動は、特撮界だけでなく、日本のエンターテインメント全体において重要な役割を果たしています。

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