晋安郡

晋安郡（しんあんぐん）は、中国の歴史において、西晋時代から隋代初頭にかけて存在した地方行政区画です。現在の福建省東部に位置していました。

成立と変遷

282年（西晋の太康3年）に、建安郡が分割される形で晋安郡が新設されました。当初は揚州に属し、郡の行政中心地である郡治は侯官県に置かれました。291年（元康元年）には、揚州と荊州の一部を合わせて江州が設置されると、晋安郡も江州の管轄下に移りました。この頃、晋安郡は原豊、新羅、延平、同安、侯官、羅江、晋安、温麻の8県を統括していました。

南朝時代の晋安郡

南朝宋の時代になると、晋安郡の管轄県は侯官、原豊、晋安、羅江、温麻の5県に再編されました。南朝斉の時代も、この体制が維持されました。

南朝陳の時代には、行政区画の再編が相次ぎました。まず、閩州が設置され、晋安郡は閩州の管轄となりました。しかし、閩州は短期間で廃止され、晋安郡は東揚州に再び編入されました。568年（光大2年）には、豊州が置かれ、晋安郡は豊州の管轄下に入りました。

隋による廃止

589年（開皇9年）、隋が陳を滅ぼすと、晋安郡はその歴史に幕を閉じ、泉州に編入される形で廃止されました。

晋安郡は、短くはない期間、福建省東部において重要な地方行政単位としての役割を果たしました。その変遷は、中国の地方行政制度の歴史を理解する上で貴重な事例の一つと言えるでしょう。

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