普寧寺 (承德市)

普寧寺（ふねいじ、Puning Si、満洲語: ᡤᡠᠪᠴᡳᠨᡳ ᡴᡳᡨᠣᠨ ᠵᡠᡴᡨᡝᡥᡝᠨ、転写: gubci nikton juktehen）は、中華人民共和国河北省承徳市にある、由緒あるチベット仏教の寺院です。

歴史

普寧寺は、清の乾隆帝の時代、乾隆20年（1755年）にその勅命によって創建されました。乾隆帝は、この寺を、モンゴル民族を懐柔し、その地域の安定を図るための重要な拠点と位置づけました。

1961年には、その歴史的、文化的価値が認められ、中華人民共和国国務院によって全国重点文物保護単位に指定されました。さらに1983年には、漢族地区仏教全国重点寺院にも認定され、国家的な保護を受けています。

そして1994年、普寧寺は、その文化的意義が国際的にも認められ、ユネスコの世界遺産に登録されました。この登録は、普寧寺が人類共通の遺産として、未来に継承されるべきであることを意味します。

伽藍

普寧寺は、伝統的な七堂伽藍制に基づいて建てられており、その建築様式は、漢族とチベット族の仏寺の様式を融合させた独特のものです。広大な敷地には、壮麗な建築物が建ち並び、訪れる人々を圧倒します。

山門殿: 寺の正門であり、訪れる人々を迎えます。
天王殿 (abkai wang ni deyen): 四天王を祀る堂宇です。
大雄宝殿 (amba kiyangkiyangga boobai deyen): 寺の本堂であり、本尊が安置されています。
鐘楼: 時を告げる鐘が設置されています。
鼓楼: 法要の際に太鼓を打ち鳴らすための建物です。
東西配殿: 本堂の左右に位置する堂宇です。
大乗之閣（amba kulge i asari）: 大乗仏教の教えを学ぶための場所です。

重要文化財

普寧寺には、数多くの貴重な文化財が所蔵されています。中でも特に有名なのは、以下のものです。

千手千眼観世音菩薩: この像は、松、柏、杉、楡、椴の5種類の木材を組み合わせて彫られています。高さ27.21メートル、重さ110トンという巨大な木彫り彫像であり、中国に現存する最大の木彫り彫像であるだけでなく、世界最大の木造観音像としても知られています。その精巧な彫刻と圧倒的な存在感は、訪れる人々を魅了します。
普寧寺碑文: 普寧寺の歴史や由来を記した石碑です。
平定準噶爾勒銘伊犁之碑: 乾隆帝によるジュンガル平定の功績を記念した石碑です。
* 平定準噶爾後勒銘伊犁之碑: 同じくジュンガル平定の後の状況を記した石碑です。

普寧寺は、その美しい景観と貴重な文化財によって、多くの観光客や参拝者を集めています。この寺は、中国の歴史と文化を伝える貴重な遺産であり、これからも大切に保存されていくことでしょう。

公式ウェブサイト

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