普快車

普快車（ふかいしゃ）とは

普快車は、台湾鉄路管理局における列車種別の1つで、かつては「普通車」と呼ばれていました。現在では最も下位の種別とされており、主に客車列車として運行されています。

概要

普快車の特徴は、主に非冷房の客車を使用している点です。これらの客車は、主に日本やインドで製造されたものが使われており、そのレトロな雰囲気が特徴です。かつては西部幹線などでも運行されていましたが、2008年5月15日以降は、主に南廻線での運行が中心となっています。

過去には、非冷房の日本製気動車であるDR2700形も普快車として使用されていましたが、2014年7月に引退しました。

また、客車の塗色から「藍皮車」と呼ばれ、台湾人観光客にも人気があります。しかし、時期によっては非常に混雑することもあります。

現在の運行区間は台東から枋寮までで、3両編成の転換クロスシート車両が使用されています。トイレは設置されていますが、必ずしも清潔とは言えません。また、窓が開閉可能な非冷房車のため、走行中のディーゼル機関車の騒音や排気ガスが車内に入り込むこともあります。

特に、デッキを有する日本製車両の場合は、ドアが手動式のため、走行中でも開閉することが可能です。乗車する際には注意が必要です。

運賃

普快車の運賃は、1kmあたりNT$1.06と、区間車（1kmあたりNT$1.46）よりも割安に設定されています。これは、冷房設備がないためです。2019年1月現在、台東から枋寮までの全区間を普快車で移動した場合の運賃はNT$104です。ただし、悠遊卡などのICカードを利用する場合は、区間車の運賃が適用されるため、IC割引が適用されても割高になります。

南廻線の運行とリニューアル

南廻線では、2020年12月22日に電化工事が完了したため、翌12月23日より普快車の運行は一旦廃止されました。しかし、鉄道専門誌の編集長の進言により、南廻線用の4両を含む客車15両の更新・延命が決定し、電化後の新ダイヤでは、便所などの更新工事のため一時的な運休を経た後、観光列車としてリニューアルされることになりました。

2021年10月23日からは、「藍皮解憂號」として団体列車として運行を開始し、現在に至ります。

運行路線

現在の普快車は、南廻線の台東 - 枋寮間でのみ運行されています。

• - 3671次： 台東発 枋寮行き（順行）
• - 3672次： 枋寮発 台東行き（逆行）

時刻表の詳細は、台湾鉄路管理局の公式サイトなどで確認できます。

その他

台湾の鉄道には、厳密には「上り」「下り」の概念はなく、時計回りを「順行」、反時計回りを「逆行」と呼びます。窓口で発行される乗車券には「順行」「逆行」と表記されますが、券売機で発券される乗車券では省略されることがあります。また、一部では「北行」「南行」と表記されることもあります。


普快車は、台湾の鉄道文化を象徴する存在として、今後もその活躍が期待されています。

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